実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『ネオンくらげ』(内藤誠)[C1973-33]

シネマヴェーラ渋谷の特集「内藤誠レトロスペクティブ」(公式)で『ネオンくらげ』を観る。今川焼が食べたくなる映画。

17歳のヒロイン・山内えみこが、荒木一郎、川村真樹に翻弄されつつも、キャッチガールとしてたくましく成長する姿を描いたもの。山内えみこは、デカい胸ときれいな長い脚を強調したファッションで、新宿を闊歩するのが画面に映える。いさぎよい脱ぎっぷりと、サバサバした不道徳な前向きさが心地よく、ポルノだけどさわやかな青春映画に仕上がっている。ちょっと、予想どおりにストーリーが展開しすぎる気もするけれど。

荒木一郎が撮る山内えみこのヌード写真のなかに、デカいパンダのぬいぐるみを抱いているのがあった。また、川村真樹の部屋にも、ぼったくりバーのマダムには似合わず、パンダの小物があった。これもまた、あの時代いかに世の中がパンダだったかを示す証左である。