実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『黒い賭博師』(中平康)[C1965-42]

シネマヴェーラ渋谷の特集「中平康 日活デイズ」で『黒い賭博師』を観る。

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久しぶりに若い小林旭を堪能した。このところ観ている東映時代のアキラは、太っているしもみあげも太いけれど、眼光鋭く、凄みと貫禄があってやっぱりかっこいい。でも胸キュンとはならない。この映画では、若いといっても盛りは過ぎているけれど、スウィートでセクシーな目つきの、胸キュンなアキラがたっぷり楽しめる。たぶん本人は今でも同じ目つきのつもりだと思うけれど、きっとあの、白くてモチモチした肌との組み合わせがポイントだ。

相手役が富士真奈美というのが盛り上がりにかけるが、若いころの富士真奈美はなかなかきれいだった(興味はないけど)。間違っても、吉行和子ぴったんこカンカンに出ているどすこい富士真奈美を連想したりせずに観ることが肝要である。

それから小池朝雄中島貞夫特集でさんざん見て、今朝出かけるときも小池朝雄のウワサをしていたのだが、映画が始まったらいきなり出てきてびっくりした。日活なので出るとは思っていなかった。不意打ちだった。しかもなんだか色黒の怪しい雰囲気で、アラブの賭博師かなにかかと思ったら、ふつうに日本人みたい。

お話は、アキラが天才ギャンブラーに扮して国際賭博団と対決するというもの。カジノや国際賭博団が無国籍な雰囲気をかもし出す、軽めの娯楽作。ストーリー的にはいまひとつだし、キャストもしょぼいけれど、とりあえず無国籍な雰囲気に浸り、何をやってもかっこいいアキラを堪能し、北京語を話す高橋昌也を楽しめばそれでいい。昔の映画って、撮影期間も短く、かけもちで撮っているわりに、外国語とかがんばってるよね。あとはギャンブルのルールがわかるともっと楽しいと思うけれど、わたしはトランプのもわからないのが苦しいところ。