続いて『夏物語』。
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2004/07/24
- メディア: DVD
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マルゴと毎日いろんなところへ散歩に行き、とりとめもなくしゃべっている前半が特にいい。海辺のポーリーヌ改めマルゴは超かわいく、赤いビキニに発達した太もものアンバランスさもほほえましい。ソレーヌも、一見イケイケだが実際はそうでもなく、歌もうまくてけっこういい娘だ。そこに現れた本命のはずのレナは、魅力のカケラもなくて衝撃的。でも観る人によっては、三人とも魅力的とうつるのかもしれない。
珍しく男の子が主人公。いま目の前にいる女性にすぐなびいてしまうのには笑ってしまうが、集団行動が大嫌いで引きこもり気味の性格は、けっこう共感する。三人のうちのひとりに決められない優柔不断ぶりも、こういうことは(恋愛の局面であるかどうかはともかく)人生のなかでは時々あることだと思う。リスク含みの選択肢のなかで、自分で決めるのはイヤだから状況がうまく動いて自然に決まるのを待つという態度は、すごくよくわかる。待ち望んでいた状況の変化が起こり、最も望ましいかたちに決着しかけたところですべて失ってしまう苦い結末も、それはそれでいいんじゃないかと思ってしまう。
舞台はもちろん熱海ではなく、ブルターニュ地方のディナール。ガスパールが女の子たちと行くのを夢みるウェッサン島は、そのへんの沖合にある島なのかと思って観ていたが、フランス最西端の島とのことでけっこう遠そうだ。