実録 亞細亞とキネマと旅鴉

サイトやFlickrの更新情報、映画や本の感想(ネタばれあり)、日記(Twitter/Instagramまとめ)などを書いています。

『春のソナタ(Contes des Quatre Saisons: Conte de Printemps)』(Eric Rohmer)[C1990-12]

東急フードショーのサイゴンで昼ごはんを食べて、今日もユーロスペース(公式)の「アデュー・ロメール」。今日と明日は「四季の物語」シリーズを観る。春→冬→夏→秋という変則的な順序で製作・公開されたものを、今回は春→夏→秋→冬という順序で観る予定で、まずは『春のソナタ』。四季シリーズなどというと「韓流ドラマ?」と言われそうだが、第一弾のこの映画にこのような邦題をつけたのが混乱のもと。素直に『春物語』にしておけばよかったのに。

春のソナタ [DVD]

春のソナタ [DVD]

実はこの映画、あまり印象に残っていなかったけれど、今回観たら「こんなによかったっけ?」というくらいによかった。ジャンヌ(アンヌ・テイセードル)とナターシャ(フロランス・ダレル)というふたりの女性が、自分をもっているというか、毅然とした感じでとても好感をもったし、ふたりのおしゃべりがとにかく楽しかった。年の離れたふたりが偶然知り合って親しくなるのにも違和感がない。

あまり暖かそうではなく、咲き乱れる花のほかはそんなに春らしさは感じなかったが、アパルトマンの部屋や別荘の中のしんとした空気感がとてもよかった。

ただしこれもファッションはかわいくなくて、女性がみんな肩パッドバリバリのジャケットを着ているのに苦笑した。

ところでこの映画の製作年は、今回のチラシでは1989年となっている。公開時は1990年だったはずだが、どちらが正しいのだろうか。ネット上でも混在しているようなのでとりあえずこのままにしておくつもりだが、わたしは製作年ごとにリストを作っているので、修正するとなると通し番号を振り直さなければならなくて煩わしい。