実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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稲取温泉旅行第一日:鎌倉→伊東→稲取

明日はJ先生の職場が休日なので、わたしも有給休暇を取って恒例の温泉旅行に行く。「夏休みはやっぱり山だよねー」と言ったそばから、海が見渡せる部屋の写真に惹かれて、東伊豆の稲取温泉へ行くことにした。今回は、旅館のいわれや建築、ロケ地などの楽しみは一切なく、純粋にヴァケイションである。

出発は10時前と遅くなってしまったが、日曜日のせいか道はすいている。国道134号、西湘バイパス、真鶴道路、熱海ビーチライン、国道135号と渋滞知らず。熱海ビーチラインはほとんど独占状態。順調すぎる行程で、11時過ぎには道の駅伊東マリンタウン(公式)に着いた。天気予報はくもりだったが、ずっと晴れている。

ここは今回の旅の目的地のひとつ。マレーシアでピサンゴレンが食べられなかったので、「伊東へ行こう」と言い続けて早3ヶ月弱、インドネシア料理スラバヤ(公式)で恨みはらします。横の席では華人の団体が広東語と北京語を響かせており、気分はすっかりマレーシア。ごはんは控えめにして、デザートに揚げバナナ(下左写真)とコピ・バリを一人一つずつ注文。こういう中身がトロリで見た目もきれいな揚げバナナももちろんおいしいが、硬めのバナナを揚げた素朴なピサンゴレンも食べたい。ピサンゴレンは最も手軽に始められる屋台だと聞いたことがあるので、日本のテキ屋のみなさんもいかがですか。

食後に雑貨屋をひやかしていると、リサとガスパール(公式)(Gaspard et Lisaがどうして日本語では逆転するの?)のぬいぐるみがあったので、『悲しみは空の彼方に』[C1958-29]ごっこをする。真っ黒土方焼けのJ先生にガスパールを差し出して、「ガスパールあげる」「黒いのはいやっ(バシッ←音だけです。落としてません)」…。こういう遊びはよくないかなと思いつつ、白いものと黒いものを見ると絶対に連想してしまう。J先生は「ガスパールくれくれ」と言っていたが、もちろん買ってあげない。


午後は国道135号をノンストップで南下。伊豆高原、熱川温泉を過ぎて、14時ごろ稲取温泉に到着。稲取は、伊豆半島からちょこっと突き出た半島のようなところで、三方を海に囲まれている。道を間違えたので半島をほぼ一周し、南側の池尻海岸に面したいなとり荘に着く。

いなとり荘(公式)はいちおう日本旅館だが、建物は鉄筋コンクリートの近代的なもの。風情はないが、全室正面に海が見えるのが最大の魅力だ(上右写真)。曇ってきたのでちょっと白っぽいけれど、窓いっぱいに海が広がっていて気持ちいい。14時チェックインで12時チェックアウト、充実したお風呂やプールなど、滞在をゆっくり楽しめるファミリー向けリゾート旅館である。人目を忍んだ不倫の旅には向かない。

まずはお風呂。いなとり荘のお風呂は、展望大浴場、温泉メゾネット、貸切露天風呂(有料)の3種類。いろいろなお風呂がある温泉メゾネットを先に攻略することにする。下の階には海に面した展望風呂、上の階には樽風呂、ジェットバス、打たせ湯、露天風呂があり、全部試す。風情は全くないが、この温泉メゾネットのある温泉専用棟はまだ新しく、設備も整っていて清潔感が漂う。ラウンジではめかぶ茶がサービスされるが(昼だけ)、風呂上がりはやっぱり生ビール(有料)。

さっぱりしたところで、J先生のたっての希望でどんつく神社に行く。シンボル、シンボル、オトコのシン〜ボル〜♪が御神体の秘宝系神社で(『映画秘宝』の秘宝ではなく秘宝館の秘宝←もしかして同じか?)、巨大な御神体の載った神輿があるらしい。遠くから見るとふつうの小さな神社だが(下左写真)、近づくと神輿がどーん(下右写真)。それだけしかないし、異なるアングルからも見られないし、ガイドブックで見るのと変わらず、あまりインパクトはない。しかし写真に撮ってみるとけっこうナマナマしくてピーって感じだが、これ載せても公然猥褻とかじゃないよね。J先生によれば、稲取へ行ったら「どんつく神社を見て死ね」というぐらいのものらしいが、だぁれも見に来ていません。ご利益は子孫繁栄、夫婦和合、無病息災だそうで、J先生の望むような効用は特にない。


町は鄙びていて何もないが(下写真)、出勤途中(推定)の徳さんとすれ違った。東京の女の人に呼ばれたのだろうか。

旅館に戻ると、海とサザエさんを眺めながら晩ごはん。金目鯛姿煮つけ(下左写真)が圧巻で、たしかにおいしいけれど、煮つけって実はあんまり好きじゃない。料理は可もなく不可もなくという感じで、野菜が少ないのがちょっと気になる。

21時半から港で花火大会があるので、21時ごろぶらぶら出かける。花火はフライングで21時20分すぎに始まってしまい、前半を見損ねたが、後半は間近で見ることができた(上右写真)。20分程度であっという間に終わったし、特別すごいのもなかった。だけど都会の花火大会と違って人が少ないのでゆったりと見られるし、いちおう海から上がる花火もあり、近くで見た甲斐があった。花火の前には太鼓のコンテストなどがあり、興味がないので行かなかったのだが、露店なども出ていたからもう少し早く行けばよかった。

帰り道、また仕事帰り(推定)の徳さんに会う。いや、福さんだったかな。いなとり荘附近は、射的&スマートボール屋や飲み屋が集まっていて、夜はそれなりに賑やかである。港のイベントに客をとられて閑散スミダだった射的屋にも、ふたたびお客が集まっていた。

帰って展望大浴場で本格的なお風呂。ほかの客も行動パターンが同じだからけっこう混んでいる。室内のお風呂は海を一望できるが、夜は何も見えないのでパスして露天風呂直行。屋根が全くない思いっきりの露天なので、開放的で気持ちがいい。星も少しだけ見えた。