実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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澳門旅行第五日:澳門

  • 澳門聖地牙哥古堡酒店(ポウサダ・デ・サンチャゴ)のCafe da Barra(改装中のためか、実際の場所はOs Gatos)で豪華朝食。
  • 西望洋山の南東側を、建築やロケ地を見ながら散歩。『神火101 殺しの用心棒(神火101)』[C1966-V]に出てくる峰景酒店大樓(葡萄牙駐澳門總領事官邸)(写真)は、カフェになるという噂もあったが、まだポルトガル領事が独り占めしているらしくて中は覗けない。峰景酒店(ホテル・ベラ・ヴィスタ)時代に泊まっておかなかったのが悔やまれる。
  • 西望洋山を登って西望洋聖堂(ペンニャ教会)へ。澳門(マカオ)は三度目だが、不便な場所にかかわらずここは三度とも訪れている。『三人の博徒』[C1967-V]ではタイトルバックで映るが、それだけではなく、鶴田浩二が佇んでいた場所であることを確認。
  • チェックアウトし、バスで外港側の新口岸へ移動。今夜からの宿、澳門維景酒店(メトロパーク)にチェックインする。新口岸は新しく発展しているところなので、台北でいうと東區のようなところかと思っていたら、全然違って場末感漂うところだった。カジノつきの高いホテルが林立しているが、派手だけれどユニークな葡京酒店(リスボア)と、いつでもシンプルな文華東方酒店(マンダリン・オリエンタル)を除けば、どこも醜悪極まりない。
  • バスで二龍喉公園へ。まずは適当な茶餐廳で西多(フレンチ・トースト)などの昼ごはんを食べる。香港や澳門のフレンチ・トーストは、ほとんど油揚げにしか見えないが、既成概念を捨てればけっこう食べられる。
  • ロープウェイで東望洋山を登ろうと思ったのに、メンテナンスのため休止中。でも歩いて登ってもすぐ。東望洋炮台(ギア要塞)と東望洋燈塔(ギア灯台)(写真)を訪ねる。いつもすぐ近くまで行きながら中に入る機会がなく、これが悲願の初見学である。東望洋燈塔は、『イザベラ(伊莎貝拉)』[C2006-19]と『蝴蝶 羽化する官能』[C2004-11]のロケ地。『イザベラ』では灯台に上っていたが、残念ながら中へは入れず、澳門を逆さに見ることはできなかった。
  • 建築などを見ながら、東望洋山を下り、荷蘭園大馬路を北上し、露店街などを通って西に向かい、紅街市を見て望廈山へ。望廈炮台(モンハの砦)(写真)や周辺の廟を訪ねる。国境に近いこのあたりは、ポルトガル色は薄れて中国色が濃い。
  • 暗くなってきたのでバスで帰るつもりだったが、反対方向のバスに乗ってしまう。ついでなので、国境まで行って關閘拱門(写真)を見る。うしろに關閘邊檢大樓という大きなイミグレのビルが建ってしまい、關閘拱門はちゃちなミニチュアのようにしか見えない。国境(現在は正式には国境ではない)を越えるため、ビルに吸い込まれていく人の多さに圧倒される。
  • バスで新口岸へ戻る。澳門通を使うと乗り換えがタダなので、今回のように方向を間違えても1回の料金ですむ。しかしちょうど夕方のラッシュと重なり、渋滞でものすごく時間がかかってしまう。澳門軌道捷運(LRT)という新交通システムが計画されているらしいが、ぜひ作ってほしいものだ。だいたい澳門のバスは、曲がり角に来たら必ず曲がるといっていいほど複雑な経路が多く、狭いわりに時間がかかる。
  • 晩ごはんを食べようと思った店はつぶれたらしくて閉まっており、遅くなったのでめぼしい店は行列ができている。思いあまって偽“鼎泰豐”に入ってみた。堂々と鼎泰豐を名乗るからにはそれなりのレベルかと思ったら、お話にならない味でがっかり。客層も場末感たっぷりで、そもそも誰も小龍包など食べていない。入った私たちが悪いのだけれど、荒んだ気分になってしまった。
  • 新口岸からは、東望洋燈塔がとてもよく見える。初めて澳門へ行ったとき、東望洋山を抜けてフェリー乗り場へ行けるかと思ったら行けなくて、夜中に山の中をぐるぐる回った経験がある。すぐ近くに見える灯台は直線距離の近さをうかがわせ、10年前の「歩くマカオ・グランプリ」の疲労感と、斜面の向こうに見える港の灯が呼び起こした不安感とを思い出させる。
  • 今日の歩数は28878歩。三つも山に登ってたくさん歩いたのに、バスにもたくさん乗ったので思ったよりも少ない。