実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『メーヌ・オセアン(Maine Océan)』(Jacques Rozier)[C1985-53]

今週も渋谷・ユーロスペースで「ジャック・ロジエのヴァカンス」(公式)。映画が12時からなので、先週と同様まず整理券をもらって昼ごはんを食べるつもりだったのに、11時すぎになってもユーロスペースが開いておらず、階段に長蛇の列。しかたなく整理券はJ先生にまかせ、ドゥ・マゴへパンを買いに走る。戻ったらさすがに開いてはいたもののまだ行列中で、順番がくるまえに開場してしまってムカついた。

今日の一本めは『メーヌ・オセアン』。新たな人物が次々に登場して主役が入れ替わり、展開は予測不可能で、どこに着地するかは最後までわからない、お口あんぐりなお話。しかし終わってみれば、ヴァカンス(のようなもの)が始まり、そして終わる、というのは、『アデュー・フィリピーヌ[C1962-44]や『オルエットの方へ[C1970-19]と変わらない。

コミカルな要素が多いが、登場人物がみな濃すぎるせいか、途中まではいまひとつのれなかった。ジャック・タチも嫌いだし、もしかしておフランスのコメディは苦手かも。しかし終盤、検札長が主役になってからはおもしろかった。彼が走っているラストはすごくいい。この検札長を演っているのは『オルエットの方へ』の上司役、ベルナール・メネズ。ひとまわり大きくなっていて、思わず「ドパルデューみたいになってる」と思った(いくらなんでもひどすぎ)。

裁判でアンジェ(Angers)に寄ったあと、季節はずれのヴァカンスの舞台はユー島(Île d'Yeu)。『オルエットの方へ』の舞台とも近く、ロジエは大西洋がよほど好きみたいですね。

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