実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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マレーシア旅行第六日:怡保(Ipoh)→吉隆坡(Kuala Lumpur)

  • カヤ・トーストが食べたいので、旧市街へ朝ごはんを食べに出かける。コーヒーショップの並ぶJl. Bandar Bijih Timahは、夕方の静けさが嘘のように賑わっている。適当に入った亞洲茶室(下左写真)で白咖啡(上左写真)とカヤ・トースト(上右写真)を注文。あいかわらずの広東語の世界で、「カヤ・トースト」(広東語じゃ言えない)と言ったとたん、年配のおばさんから若めのおばさんにバトンタッチする周到さ。久しぶりにカヤ・トーストが食べられて満足だが、ほかの客はみんな麺を食べていたのが気になる。コーヒーショップにはもう行けないかもしれないし、量も少なめだったので、「もうちょっと何か食べようか、どうしようか」と悩む。行列のできているコーヒーショップ(下右写真)もあるし、ちょっとだけインド人街もあってロティ・チャナイも食べたい。しかしウジウジ悩んでいるうちにホテルに着く。


  • ホテルに戻るとみんなが朝食を食べている。「せっかくの朝食券だから、コーヒーだけでも」と言いつつ、しっかりごはんも食べる。今日はバイキングで、nasi goreng(ナシ・ゴレン)と目玉焼きがあったのだ。食後はヴェランダ(写真)でまったりして名残りを惜しむ。昨日Syuen(シュエン)という高級ホテルの前を通ったら、J先生が「今度来たときはぜったいここに泊まる」とリキんでいた。だけどやはりここのヴェランダは捨てがたい。


  • フロントのかっこいいおにいさんは、結局初日しかいなくて残念でした。Kuala Lumpur(クアラ・ルンプール)に向かうため、チェックアウトしてイポー駅へ。イポー駅はとてもさびれている。構内の売店スペースやカフェスペースはことごとく空で、かろうじて外にマッサージ店が一軒、ホームに食料品店が一軒(左写真)あるだけ。駅舎の中はまるで空き店舗で、‘租’の貼り紙がないのが不思議なくらいだ。改札もなしでホーム(右写真)に行ける。30分前に行くとすでにかなりの客が来ていた。掲示板の表示時刻は、勝手に予定の10:48より遅くなっていたが、列車はそれよりも早く来た。


  • 一日に上下2本ずつしかないマレー鉄道(Keretapi Tanah Melayu)(公式)は発展のしようもなく、車両も古いままで自動ドアはことごとく壊れている。わたしたちはそのドアの前の端っこの席で、通る人がドアを開けっぱなしにするのが気になってしかたがない。通路の反対側の席は家族そろって青い服を着たマレー人親子で、そのおとうさんがかなり根気よく、通る人ごとに「閉めといで」と言ってくれたので助かった。一度ドアを開けたいのに開けられないかわいいマレー人の女の子(推定7歳)がにっこりと微笑むので、J先生が鼻の下をのばして開けてあげたら、お礼も言わず閉めもせず、一目散に駈けて行った。
  • 約3時間でKuala Lumpurに到着。以前はKuala Lumpur駅に停まっていたのに、知らないあいだにKL Sentral(Sentral Kuala Lumpur)という巨大ターミナル駅ができ、こちらに停まるようになっていた(左写真)。空港と同様、中国語やタミル語の表示がないのに、日本語が書かれているのに激しい違和感。KTM KomuterでKuala Lumpur駅まで戻る(右写真)。PenangもIpohも電車は走っていないので、今回初めての電車。乗客のマナーが悪くてうんざりしたが、向かいの席に座っていたマレー人女の子三人組の民族衣装がとてもシックだったので、(顔はひとりだけしかかわいくなかったが)「かわいいな、女の子っていいな、若いっていいな」と、完全におじさんモードになる。


  • KLの宿は、クアラ・ルンプール鉄道駅にあるThe Heritage Station Hotel Kuala Lumpur(公式)。若いスタッフで明るい雰囲気だったIpohとは違い、薄暗いロビーにいきなりスタッフ不在のフロント、怪しくうろつく案内係のおじさん…といかがわしさ満開である。クラシックなエレヴェータに乗り、3階の部屋にも2階の部屋にも行ける廊下(左写真)を奥深く入って行ったところに部屋はあった。一見クラシックな雰囲気だが、枠だけあってカーテンのついていないベッド(右写真)とか、どうも中途半端である。設備はIpohより整っているが、窓も開かずヴェランダもないので、やっぱりIpohのほうがいいかもしれない。


  • 出かけるついでにStesen Keretapi Kuala Lumpur(Kuala Lumpur Railway Station/クアラ・ルンプール鉄道駅)を見る。まず、廊下の途中からヴェランダに出て眺め(左写真)、それから外に出て眺める(右写真)。Stesen Keretapi Kuala Lumpurは1910年竣工。マレー鉄道の駅として使われたのは2001年までらしい。


  • 今度はKL Monorailに乗ってImbiへ。電気系ショッピングセンターPlaza Low Yatにある記得食でおやつを食べてから(id:xiaogang:20080501#p2参照)、旧プドゥ刑務所附近へ。『黒い眼のオペラ(鄢眼圏)』[C2006-27]のロケ地探索をしてから(id:xiaogang:20080501#p3参照)、1895年竣工のプドゥ刑務所(Pudu Prison)を外から眺める(左写真)。もう刑務所としては使われていないようだが、救急車が来て職員がうろうろしているのが見えたので、何かには使われているらしい。そのままSTAR LRT沿いに歩いて、Hentian Puduraya(Puduraya Bus Terminal)(右写真)へ『Rain Dogs(太陽雨)』[C2006-17]のロケ地探索に行く(id:xiaogang:20080501#p4参照)。


  • さらにSTAR LRTに沿ってDataran Merdeka(Merdeka Square)へ。広場のまわりには、多くのコロニアル建築が建ち並んでいる。Panggung Bandaraya(Old City Hall)、Old High Court( 上左写真)、Sultan Abdul Samad Building、Mahkamah Perusahaan(Industrial Court)、Old Kuala Lumpur Post Office(上右写真)、Muzium Tekstil(Textile Museum/旧鉄道事務局)(下左写真)、National History Museum(旧Chartered Bank)(下右写真)、Kuala Lumpur Memorial Library(旧Government Printing Office)、Royal Selangor Club、Cathedral of St Mary the Virginなど。Old High CourtはA. B. Hubback設計、1915年竣工。Old Post OfficeはA. C. Norman設計、1907年竣工。旧鉄道事務局はA. B. Hubback設計、1905年竣工。旧Chartered Bankは1909年竣工。これだけ並べばかなり壮観なはずだが、Merdeka Square自体が広すぎて、かなり雑然とした印象しか感じられない。([AE Kuala Lumpur Heritage Tour 1](LINK)を参考にさせていただきました。)


  • チャイナタウンへ向かう。このあたりにはけっこう古い建物もある(上写真)。途中、Central Marketでトイレに行こうとしたら50Senだったので、あまりの高さにJ先生と対応を協議する。結局行ったのだが、高いだけあって比較的きれいだったし、個室の外には共用のトイレットペーパーもあった。それにしても高すぎる。チャイナタウンの牌楼(下左写真)をくぐると、いきなりニセモノ時計の世界。チャイナタウンにも古い建物がけっこう残っていて(下右写真)、ついそちらに吸い寄せられて行くのだけれど、J先生が「たてものよりたべもの」とうるさい。


  • 晩ごはんは適当に南香飯店に入り、クレイポットポークと芥蘭の炒め物。もっと食べたかったのに、明らかに人手不足の店で、店員がつかまらず頼めなかった。Tigerにありつくのにも一苦労。食後はフルーツ屋台でドラゴンフルーツを買ってみるが、キウイみたいなうすい味でいまひとつ。適当なカフェなども見当たらないので、いくつかお店をひやかしたりしながら歩いてホテルに戻る。ホテルの前には夜だけインドレストランがオープンしていたので、teh ais(テ・アイス)を飲んでくつろぐ。
  • 『グブラ(Gubra)』[C2005-49]にPensonicといういかにも怪しげな名前のメーカーが出てきたが、本当にあるらしい(公式)。お風呂にこのメーカーの湯沸かし器がついていた。しかしお湯の蛇口をひねっても、特に作動する様子もないし、熱いお湯も出てこない。例によって「水と〜思えば水で〜なし〜♪」という微妙な温度なので、「熱帯のお湯はこのぐらいで十分」という温度なのだと思うことにする。だけど水しか出ない洗面所の蛇口からも「お湯と〜思えばお湯で〜なし〜♪」という水が出ることを考えれば、やはりこれは水シャワーだと結論せざるを得ない。