2巻欠けている分の埋め合わせなのか、『高麗葬』はドキュメンタリーとの二本立て。今日の3本めはそのドキュメンタリー、『キム・ギヨンについて知っている二、三の事柄』。金綺泳ファンの韓国の若手映画監督にインタビューしたもので、監督は金弘準(キム・ホンジュン)。
インタビューは、知っている監督が奉俊昊(ボン・ジュノ)と宋一坤(ソン・イルゴン)と朴贊郁(パク・チャヌク)くらいしかおらず、金綺泳に関する知識がちょっと増えたかな、という程度のもの。それよりも、ところどころで映像が挿入されている金綺泳作品がおもしろそうで、すごく観たくなった。映画は『下女』の引用から始まるが、これがいきなりすごい。冒頭の部分だと思われるが、平和な家庭の場面なのに、なにやら得体のしれない不吉な気配が漂っていて、そこで子供たちがあやとりをしているいかにも平和な光景がえんえんと映し出される。あやとりは日本のと全く同じだな、などと思いつつ、その得体のしれない怖さに圧倒される。どこかで特集上映をしてほしい。