バンガロールに来ちゃったの

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『ウー・ウェンのおいしい北京』(ウー・ウェン)[B1241]

『ウーウェンのおいしい北京』読了。北京オリンピックが近づいてきて、そろそろ便乗本(というと聞こえが悪いが)が出始めている。これもそんな一冊らしい、北京のおいしいレストランを紹介した本。

ウー・ウェンのおいしい北京

ウー・ウェンのおいしい北京

まず最初に言っておきたいのは、この本のあまりに惜しいところというか、「なんでそうしちゃったの?」というところについて。この本は、お店の名前と料理の名前にカタカナ読みだけではなく拼音(ピンイン)がついている。すばらしい。「ワァンディフゥル♪」とジョアン・ジルベルトの声で歌いかけたが、「マァベロォォス♪」までいかないうちに思いとどまった。なぜなら、声調記号がついていないからだ。せっかく拼音をつけておきながらなんで? 惜しい。惜しすぎる。惜しすぎてあきらめきれない。私みたいな中途半端な中国語学習者でも、読み自体はある程度推測できる。でも声調は知らなきゃわからない。知っていてもすぐに忘れる。言うまでもなく、声調がわからなければ使えない。

ところで、私にこの本を買わせたのは、p. 48に載っているパンダである。皿の上になにやらパンダに見えるものが載っているのだが、これはエビでできていて、鍋の具なのだそうだ。エビはどちらかというと苦手な部類だが、パンダのためなら仕方なかろう。「行くぞ」と思ってお店(聽鸝館飯莊)を確かめると、なんと頤和園にある宮廷料理の店である。頤和園はけっこう好きだが遠い(でも婁[火華](ロー・イエ)の“頤和園”を観たらまた行くだろう)。しかもコースのみで、夜は団体予約のみと書いてある。行ってパンダに会えるかどうかはかなり心許ない。それでも行くのがパンダ道というものなのか。そうなのか。

この本で取り上げられているお店は、老店もけっこう含まれていて、全体として悪くない。雑誌の特集なんかだと、外国人エリアにある、東京みたいなインテリアの、東京みたいな値段のお店ばかり載っていたりする(半分偏見)ので信用できないが、これはそんなことはなかった。行ったことのあるお店もそれなりにある。北京ダックの便宜坊も載っていたが、行った店と違うなあと思って調べたら、前門の店(本店?)は再開発でなくなっちゃったらしい。となると、その向かいにあった羊肉の串焼きがげきウマの新疆料理屋はどうなってしまったのだろう。北京の再開発は冗談ではなく進んでいるようで、まったく犯罪的というか、三峡ダムなんかよりよっぽど問題である。北京の味といえば羊肉の串焼きだが、この本の第二の欠点は、羊肉の串焼きがどこにも載っていないこと。あれなくして「おいしい北京」もないもんだ。