実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『台湾 したたかな隣人』(酒井亨)

『台湾 したたかな隣人』を読み終わる。

台湾 したたかな隣人 (集英社新書)

台湾 したたかな隣人 (集英社新書)

台湾で、環境運動などの市民運動が盛んなことはよく知らなかったので、そのあたりに関しては収穫があった。また、「台湾には学生運動はないのか、民主化以前にもなかったのか」ということがずっと気になっていたのだが、やはり学生運動はあまり盛んではないということがわかった。

だけどこの本は、

  • 中国は大きらい。
  • 日本のマスコミや研究者の台湾理解は間違っている。
  • 自分は以前から民進党を間近に観察しており、市民運動に参加しているから偉い。

という理念に基づいて書かれており(というかむしろそっちが言いたそう)、いちいち「中国はこう考えているが」とか「日本ではこう言われているが」とかの前置きがついていて疲れる。特に台湾人の考えに関して、あまり根拠も示さずに断言していて、どこまで信用できるのかよくわからない(別にそんなにオリジナルな考えでもなくて、同じように言っている人はけっこういると思うんですが)。