実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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“Ugramm”(Prashanth Neel)[C2014-12]

PVR Koramangalaで、Prashanth Neel(プラシャーント・ニール)監督の“Ugramm”(公式)を観る。カンナダ語。Srimurali(シュリームラリ)、Haripriya(ハリプリヤー)主演。

  • Agastya(Srimurali)が、ギャングに狙われるNitya(Haripriya)を助けるという現在のストーリーに、Agastyaの過去の話が挿入されている。この過去の部分がかなり多く、こちらのほうが圧倒的によい。友情と対立をはらんだ幼なじみのBala(Tilak Shekar)との熱い視線の絡みあいなど、萌え要素も十分だし、アクションも見どころたっぷり。現在部分では踊らないSrimuraliが、満を持してって感じでちょっとだけ踊るのもいい。路地や坂道での追跡劇や二丁拳銃も登場する銃撃戦など、クライマックスの現在部分もよかった。
  • あちこちのレビューに、斬新なカンナダ映画というようなことが書かれていたので、もうちょっとスタイリッシュな映画を期待していたが、それとは少し違っていた。雲が流れて、風が吹いて、枯れ葉が渦巻いて、髪の毛がなびく。この重いどどどんっていう感じやスローモーションは、わりといつもの南インドアクション映画のテイスト。
  • 主演のSrimuraliはわたしは初見で、これまでもそんなに活躍していないらしいのだが、ほとんど笑わない役で、眼力があってかなり渋かった(イメージ検索をしてみたところ、笑わないほうがいいと思われる)。歳はわからないけれど、デビューが2003年だから30過ぎくらいだろうか。生え際がちょっとアヤしくて、アップのかっこいいショットのたびに「でも生え際がアヤしいけどね」といちいちツッコんでしまったわたしを許してください。でもこの映画を機にこれから活躍していただきたい。
  • 敵の息子役のAtul Kulkarniは、もしかして池部良的な役まわりだったりするのではないかと期待したけれど、そうではなくて残念でした。
  • 映画の舞台は、カルナータカ州のMughor(架空)、Kolar、Sira、Bangalore。ロケ地は、Gulbarga、Kolar Gold Fields、Kolar、Chintamani、Mysore、Gargeshwari、Nandigrama、Bangaloreといったところらしい。過去のシーンを中心に、ところどころ行ってみたいと思う風景があった。
  • 現在部分にコミカルなシーンがけっこうあるのと、終始劇伴がうるさいのが問題点。コミカルなシーン、ほんといらないから。