実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『ラジニカーントのロボット(Endhiran)』(S. Shankar)[C2010-74]

シネマート六本木で、S・シャンカール監督の『ラジニカーントのロボット』(東京国際映画祭)を観る。第24回東京国際映画祭のアジアの風部門アジア中東パノラマの一本。

ラジニカーントが、ロボットを開発しているバシ博士と、完成したロボット・チッティの二役をこなすタミル娯楽映画。インド映画はだいたい、前半は楽しくワクワクして観るけれど、だんだん飽きてきて最後はどうでもよくなる。この映画も、完成したロボットがラジニそっくりだったり、感情を与えられてバシ博士の婚約者サナ(アイシュワリヤ・ライ)を好きになってしまったりする前半は楽しい。しかし、チッティが邪悪な心を持ってからは、ハリウッド的な勧善懲悪物語になってしまうし、チッティがターミネーターのようにどんどん強くなるところは、CGや特殊効果ばかりで見どころもないし、ほとほと疲れた。バシ博士とチッティがサナをめぐって競い合うラブコメにすればおもしろかったのに、なんでこうなるの。今年の東京国際映画祭の最後を飾るにはふさわしくない作品だった。