バンガロールに来ちゃったの

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2011年12月18日のつぶやき

『霧と影』(石井輝男)[C1961-43]

ラピュタ阿佐ヶ谷の特集「昭和文学栄華館 - 昭和の流行作家たち」(公式)で、石井輝男監督の『霧と影』を観る。原作は水上勉(未読)。

映画のはじめに、東映の波ざぶーんが出ると思わず居住まいを正してしまうが、ニュー東映の火山どっかーんが出ると妙にワクワクしてしまう。これはそんなニュー東映の、能登半島を舞台にしたサスペンス。予測できない展開に惹きつけられるものの、ほとんど伏線もなしに進行し、終盤からお片づけモードに突入して慌ただしく真相が明らかにされる展開が、いかにも石井輝男な映画だった。

でもそんなことはどうでもよくて、この映画のウリは丹波哲郎が主演だということだ。わたしが期待するのは、あの、いつもの、偉そうなタンバそのままのキャラクターで主演している映画である。しかしながら、そのようなキャラクターはあくまでも脇にいるべきものであって、主役キャラにはなり得ないのか、この映画のタンバはふつうの人である。同年の『黄色い風土』(id:xiaogang:20070912#p1)で雑誌の編集長に扮したタンバは、脇役ながらものすごくかっこよかったのに、この映画ではヒラの新聞記者。タンバがヒラってあり得ない。上司に対してもふつうに部下らしく接していて、タンバ節も聞けない。「もっとエラそうにガツンと言ってやれよ」などと思ってしまってフラストレーションがたまる。

お話は、新聞記者の丹波哲郎が、親友の事故死に不審を抱き、能登半島に調査しに行くというもの。その親友とタンバは学生時代に同じ女性(鳳八千代)が好きだったが、親友に取られてしまったという過去がある。ぜんぜん似合わない学生服を着た、ヘンな回想シーンが笑える。その鳳八千代と再会して、何か過去の因縁が明らかになるとか、旦那が死んだからタンバとどうにかなるとか、新たな展開を期待したのに、別に何にもなくてがっかりだった。自分よりブサイクな男に好きな女を取られてそのままなんて、ヒラの記者と同じくらいあり得ない。三原葉子ならそのままでは済まないけれど、鳳八千代だからどうでもよかったのかもしれないけれど。

タンバを手伝う地元の通信員が梅宮辰夫で、その後のキャリアを全く予想させない、100%好青年なのがすごかった。出世主義はイヤだと言いつつ、金沢支局への栄転のことしか考えていないのがおかしい。悪役は安井昌二で、男性陣はなかなか豪華。能登のロケ地もいい感じだった。

『東京のヒロイン』(島耕二)[C1950-19]

フィルムセンターの特集「映画女優 香川京子」(公式)で、島耕二監督の『東京のヒロイン』を観る。

  • ライバル雑誌記者の轟夕起子森雅之が、反発しあいながらも最後にくっつく、歌あり踊りありのラブコメ。途中は少しくどいが、終わらせるタイミングはなかなかいい。
  • 轟夕起子はすでにちょっと貫禄がつき、二重アゴになっちゃっているが、森雅之が描く轟夕起子の似顔絵もしっかり二重アゴになっているところに好感がもてる。二重アゴになっても森雅之が惚れると思うと希望がもてるね(いや、まだ二重アゴじゃないけど)。
  • 森雅之は、ふつうに演じると、女性に対して主導権を握っている、あるいは何か下心があるというふうに見えてしまうが、大きなメガネをかけただけでそれとは違うコミカルな役を演じてしまえるところがさすがである。
  • 轟夕起子の妹役の香川京子が、チュチュ(パンツ見えすぎ)とかセーラー服とかいろいろ着替えて悶絶かわいいコスプレ映画なところが、「映画女優 香川京子」特集的な見どころ。
  • 人形が眠ったり起きたりするようなファンシーさは許容範囲ぎりぎりのところだが、香川京子のかわいさに免じて許す。