実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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Covid-19、闘病していない闘病記

1月9日(日)の夜にCovid-19陽性のRT-PCR結果が来て、1月15日(土)まで自宅隔離していました。非常に軽かったので闘病はしていません。ドアの外に一歩も出られない以外、いたってふつうの生活でした。備忘録と、もしかしたら誰かの参考になるかもしれないので、経過をまとめておきます(超長文なので、興味がある人だけどうぞ)。

12月30日(木)~1月3日(月):ムンバイ旅行

特に心当たりがあるわけではないけれど、感染したのは年末年始のムンバイ旅行だと思う。参考までにこの5日間のムンバイの新規感染者数は、3671人、5631人、6347人、8063人、8082人だった。マハーラーシュトラからカルナータカへの入境には陰性証明が必要なため、1月1日(土)朝にRT-PCRを受け、夕方陰性の結果が来ている。陰性証明のチェックはバンガロール到着時だったので、テストせずに乗っていた人もいて、ちょっとイヤな感じだなとは思った(こういうのは割と当たる)。

1月4日(火)

風邪のひきはじめのような、軽い喉のイガイガカサカサが、あるようなないような感じがしはじめた。バンガロール→チェンナイ→バンガロール→ムンバイ→バンガロールと、気温差の激しい移動を繰り返していたので、風邪をひいてもおかしくはない。ただJ先生も同時に喉がおかしいと言いはじめたのが気になった。わたしはすぐにうがい薬でうがいしたり、風邪薬を飲んだりしたので症状はごく軽いものの、喉イガイガ→鼻水→鼻づまり→痰と進行した。これはわたしの風邪の典型的なパターン。しかしJ先生は、ずっと喉が痛くて風邪とは違う気がすると言っていた。

1月7日(金)

昼ごろ急に汗が出なくなり、体温が乱高下する変温動物状態に。といっても最高36.9℃だったけれど、ふだんは35℃台だし、心拍数も10くらい高かったので怖くなってRT-PCRを受けることにした。WebでRT-PCRのホームコレクションを予約(すでに混んでいて1日後しか取れず)。体温と心拍数は少し寝たらなおった(精神的なものだったかも)。念のため、デリバリーの受け取り以外、部屋の外に出るのをやめる。

1月8日(土)

午後、RT-PCRのホームコレクション。わたしはすでにほぼ元気な状態だったけれど。

1月9日(日):隔離1日め

テスト結果は午前中に来るということだったのに来ない。住んでいるアパートメントではCovid Handbookというものが作られており、陽性になったらすべきこと、自宅隔離のガイド、アパート内のルール、支援体制、医療やデリバリーの情報などが書かれていて、これだけ読めば困らないようになっている。これに目を通したりしながら結果を待つ。結局結果が来たのは夜で、ふたりとも陽性のレポートが送られてきた。わたしのCT-Valueは約23、ちょっと前のニュースだと25以下はゲノム解析に送られるということだった。9割くらい陰性だと思っていたのでちょっとショックだったけれど、ふたりとも陽性だったことにまずは安堵。ひとりだけ陽性で自宅隔離の場合は家庭内隔離をしなければならず、これは準備も多いし、日常生活が非常にめんどくさそうだし、二人家族だとかなり大変だと思う。

熱もなく酸素飽和度も問題なし、症状も軽いため、自宅隔離の前提で準備を開始。まずアパートのMCに連絡。それからオンライン診療を予約。ウェルビーを通じて、いつも行っている病院を指定した。濃厚接触者といえるのはドライバーさんくらいだったので、連絡してRT-PCRを受けるようお願いする(後日、陰性と判明)。

テスト機関が政府のデータベースに結果を登録するので、カルナータカ政府からも陽性の連絡とBU Number(Bengaluru UrbanのDistrict patient code)が送られてくる。少し困ったのは、テスト予約時に代表者の電話番号のみを連絡するので、一緒に受けた家族等はみなその電話番号に紐づけられてしまうこと。そのためわたしに関する連絡・問い合わせもすべてJ先生にくることになり、らくちんだけど当事者感が希薄。

2022年1月9日付のMoHFWのDischarge Policyでは、自宅隔離中の軽症患者は、連続3日熱がなければ7日で隔離解除できる(再テスト不要)。陽性結果が出た日が第一日となるのでこの日が隔離1日め。

1月10日(月):隔離2日め

アパートのMCに連絡すると、ドアの前にトラテープが貼られ、すべてのデリバリーはドアの前に置かれることになる。このトラテープの写真を撮って、「トラ年にトラテープ」とつぶやく予定だったのに、感染者が多すぎて足りなくなったらしく、違うテープが貼られた。隔離のモチベーション、ダダ下がり。キッチンで使っているワゴンをドアの前に置いておくと、朝から届いていたGourmet Gardenの野菜や珈琲豆も、順次ここに置かれた。

陽性者はまた、住人用Telegramグループで部屋番号と名前を周知され、Covid Handbookにも記載される。わからないことを聞いたり困ったことを相談したりするためのボランティアが一人アサインされるので、ゴミの出し方を教えてもらった。

J先生のところには、政府(カルナータカ政府かBBMPだと思われるが、誰からの電話かよくわからないらしい)からいろいろ電話がかかってくる。まず、自動応答で健康状態を問い合わせる電話が一日1回かかってくる。わたしの分については自動応答はなくて、別途問い合わせの電話がかかってきた。このあとも数日はかかってきたが、ほぼ症状がないと言っていたらもうかかってこなくなって放置状態に。ほかに、行動歴や濃厚接触者、ワクチン接種日について問い合わせる電話や、メディカルサポートが必要か?といった電話があった。もちろんわたしのところにはなーんにもこない。

昼過ぎにオンライン診療を受ける。オンライン診療って、みんながマイPCに向かってWeb会議みたいにやるのかなと思っていたら、単なるWhatsAppのテレビ電話だった。あっちはドクターとウェルビーの通訳さんが一緒、こっちは二人一緒で、症状をいろいろ聞かれるだけ。口を開けて見せるとか、そういう診察っぽいのはなし。J先生は喉の痛みと咳、わたしは痰と咳がちょっと、ということで、二人同じ薬を処方され、血液検査を受けるよう指示され、もし酸素飽和度が94以下になったらCTを受けに来るように、と言われる。毎日のオンライン診療や訪問看護がついたパックもあるようだけど、そういったものを勧められることもなかった。処方されたのは、抗生物質、抗ヒスタミン剤、激マズ咳止めシロップを5日間。ほかに、熱や痛みがあるとき用に鎮痛剤もあったが、これは出番なし。薬はウェルビーが買って届けてくれた。血液検査もウェルビーが検査機関を予約してくれて、夕方ホームコレクションの人が来た。検査項目はかなり多く、たくさん血を取られる。

ちなみにJ先生はふつうにシゴト。この日は日本が祝日だったので、診療や検査にフレキシブルに対応できたようだ。

1月11日(火):隔離3日め

血液検査の結果が送られて来たが、ひとまずドクターの指示待ち。

J先生はふつうにシゴトで、会議のたびに「いやー、陽性になっちゃったんですよー」とか言っているのを苦笑しながら聞く。J先生は時々咳してるけど、わたしは症状ももうほとんどない。ただし薬のせいかずっと眠い。

朝夕の散歩ができない以外、全くふつうの生活。食欲もふつうにあり、食べたいものもふだんと変わらない。料理を作る体力もあるので、ふだんどおり朝夕は家で用意して昼はデリバリー。全部オンラインで調達するのもふだんと同じ。

1月12日(水):隔離4日め

隔離家庭のゴミ収集は水曜日と土曜日の2回で、この日がはじめてのゴミ出し。すべてのゴミを漏れない袋に入れて口を縛る。BBMPの回収の人が来るので、来たらMyGateでわかるけど、セキュリティから連絡があったらドアの外に出す。ちゃんと持って行ってもらえた。

1月13日(木):隔離5日め

血液検査の結果に基づくドクターの指示でビタミンB追加(1ヵ月)。

この日の夜からわたしのケータイ電話が突然つながらなくなった。わたしに電話をかけると、電源を切っていることになっているらしい。もしわたしの感染者情報が電話番号と紐づいていたら、陽性なのに電話を切っている極悪な人になるところだった。

1月14日(金):隔離6日め

ポンガルでお休み。三連休に計画していた旅行はweekend curfewで中止したけど、外出できる貴重なお休みのはずだったのに…。

1月15日(土):隔離7日め

途中で悪化することもなく隔離期間終了。朝晩2回、体温と酸素飽和度を測っていたが、体温は35.3℃〜35.9℃、酸素飽和度は97〜99だった。MCに連絡したら、すぐにCovid Handbookの記載がQ overになった。

1月16日(日)

早朝ドアの前のテープもはがされ、晴れて自由の身。快気祝いのデリバリー朝ごはんをロビーに取りに行ったが、セキュリティのおにいさんにエンガチョされたりもしなくてよかった。散歩も再開したが、体力は特に落ちていなかった。J先生への健康確認電話はこの日はまだかかってきて、17日からはかかってこなくなったようだ。隔離終了したとことを自分たちで政府に知らせる必要はなく、どこからどうやって回復者認定されるのか不明。

まとめ

身体的には症状も軽くて特に困ることはなく、ほぼ休養はしていない。アパートには、救急車やベッドを探す手伝いをしてくれるボランティアグループもあるが、幸いそちらのお世話にはならずに済んだ。

外に出られないことによる不便も全くなし。必要なことはすべてオンラインとデリバリーで可能。ボランティアの人に何かをお願いすることもなかった。ごはんを作ってくれるボランティアグループもあって、興味はあったのだけれどぴんぴんしているので頼めなかった。参考までに、隔離期間中のデリバリー昼ごはんは、ビーフバーガー、ピッツァ、マトンプラオ、クロワッサンとフルーツサラダ、ガパオライス、ポンガル、サンクランティミールス。

困ることがあるとすればお酒の調達である。幸いweekend curfewに備えてビール1ケース買っていたので問題なかったが、切らした場合にはアパート内の友人・同僚等に頼んで買ってきてもらうしかないだろう。呑まないほうがいいのかもしれないけれど、ドクターに聞くのを忘れたのでふつうに呑んでいた。