『日本俠客伝 マキノ雅弘の世界』読了。
- 作者: 山田宏一
- 出版社/メーカー: ワイズ出版
- 発売日: 2007/12
- メディア: 単行本
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おもしろかったことはおもしろかったのだが、すべて雑誌などに書かれたものの寄せ集めである。タイトルは「日本俠客伝」だが、最初の章が『日本俠客伝』シリーズについて書かれているだけで、特に『日本俠客伝』についての本というわけではない。雑誌やDVDの解説に書かれたものは、こういうところに収録されないとなかなか読めないからいいのだが、150ページほどしかないなかで50ページあまりがインタビューというのは納得いかない。マキノ雅弘のインタビューはすごくおもしろいから、自伝等とかぶってはいるがまあいいとして、森繁久彌のインタビューは納得いかない。マキノについて語っているのは一部だけだし、『小早川家の秋』にダメ・サインは出すし、加藤泰の悪口は言うし、ひどいやつだ。
「映画を心得きった演出技巧 - 序に代えて」には、『マキノ雅弘自伝 映画渡世・天の巻 地の巻』[B584-1][B584-2]、『次郎長三国志 マキノ雅弘の世界』[B582]と合わせて「私なりの「マキノ雅弘の世界」三部作になる」(p. 8)と書かれているのだが、それならせめてひとつでも、書き下ろしの論考を加えてほしかったと思う。せっかく生誕百年なんだし。
とりあえず、「『日本俠客伝』シリーズを全部観なきゃいけない」という気にさせられる本ではある。