実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『赤穂城断絶』(深作欣二)[C1978-33]

新文芸坐の特集「深作欣二の終わりなき戦い」(チラシ)で『赤穂城断絶』を観る。

赤穂城断絶 [DVD]

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  • ファーストシーン:時代背景の説明ナレーションが重ねられた、元禄14年3月14日(浅野内匠頭の事件のあった日)の江戸城のシーン。
  • ラストシーン:大石内蔵助(萬屋錦之介)の切腹シーン。切腹後の荒木十左衛門(若林豪)宅の庭のショットに赤穂浪士に関するテロップが出たあと「終」。
  • 感想は、以前録画DVD-Rを観たときとほぼ同じ(id:xiaogang:20081223#p3参照)で、付け加えることはあまりない。ただし、「見えそうで見えない」と書いた原田美枝子のサービス授乳シーンは、いちおう乳首見えました。また近藤正臣原田美枝子の演技は、今日はそれほど暑苦しく感じなかった。
  • 幕府に対する反逆と位置づけた点が新しくもあり、また、ずっと忠臣蔵物語に共感できなかったわたしが初めて納得できた赤穂浪士ものでもある。ただ、観終わってふりかえってみると、このような解釈がすんなりとわかる構造にはなりきれておらず、かなり台詞による説明に頼っている。それでもあまり説明過多と感じないのは、従来の忠臣蔵が、いまひとつ理解できないのに説明が全然ないため、説明欠乏症にかかっていて説明に飢えているからではないかと思う。また説明の一端を担うのが丹波哲郎(柳沢吉保役)で、幕府のなかで一人だけからくりに気づいているというめちゃくちゃかっこいいシーンのため、「おお、タンバかっこええ」と痺れてしまって説明臭さを感じないという点も大きい。