バンガロールに来ちゃったの

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『ル・アーヴルの靴みがき(Le Havre)』(Aki Kaurismäki)[C2011-36]

ユーロスペースで、アキ・カウリスマキ監督の『ル・アーヴルの靴みがき』(公式)を観る。

  • 善行を施せば奇跡が起こるというおとぎ話。あまりに「いい話」すぎる気がしないでもないけれど、まぎれもないカウリスマキ・スタイルで、説教くささやメルヘンチックなはずかしさとは無縁に描かれているのがすばらしい。
  • 舞台がフランスのル・アーヴルで、言語がフランス語で、アフリカ人少年が出てくる話と聞くと、カウリスマキ風味は健在なのかとちょっと心配になる。しかし、主演がアンドレ・ウィレムと、カウリスマキのミューズ、カティ・オウティネンなので、全く問題なかった。
  • いちばん気に入った登場人物は、ジャン=ピエール・ダルッサン演じるモネ警視。カウリスマキ風の顔とはまた少し違うけれど、顔つきと、黒ずくめのファッションと、ちょっと前のめりっぽい姿勢の組み合わせがいい味を出していた。もちろん、八百屋に聞き込みに行った彼が買うのがパイナップルでなかったら、そしてそれを直接つかんで歩いたり、カフェのテーブルに置いたりしなかったら、彼の評価もこの映画の評価ももう少し下がっていたに違いない。そして、左下隅にさりげなくパイナップルを配置しているチラシが憎すぎる。
  • ジャン=ピエール・レオーが悪役なのもウケる。彼のうさん臭い顔にはぴったりの役。
  • 今年は『アーティスト』(未見だけど)や『ムサン日記〜白い犬』など、犬映画の当たり年の様相を呈しているが、この映画もその片隅に並べてもらうべく、犬のライカが控えめに活躍している。