神保町シアターの特集「監督と女優とエロスの風景」(公式)で、澤井信一郎監督の『恋人たちの時刻』を観る。
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2011/11/25
- メディア: DVD
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どこか荒涼とした風景とひんやりした空気感が、観終わってからもずっと心に残る映画。舞台は札幌、小樽など北海道で、季節は初秋から秋が深まっていく時期だと思うが、いかにも秋という風景は出てこず、北海道の秋は内地の秋とは空気が違うんだろうかとも思う。冒頭の海、海猫の餌付けをするところ、野村宏伸が訪ねる標津などの海のシーンが、特別な風景ではないのに、寒々しく荒涼とした寂寥感をたたえている。
エンディングで流れる大貫妙子による主題歌は以前から好きな曲。久石譲による音楽もめずらしくけっこうよかった(よく知らないけれど、音楽つけすぎでうるさいというイメージがある)。海猫の餌付けのシーンで、「東京へはもう何度も行きましたね♪」という歌(『東京』)の一部が繰り返し流れているのも印象深いが、あれは実際に流れていたのだろうか。
肩パットやぶかぶかずるずるの80年代ファッションは、やはり見ていてつらいものがある。人生の転機で出会うオトナの男が高橋悦史なのもちょっとあんまりだと思う(生理的に受けつけがたい)。