実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『極道VSまむし』(中島貞夫)[C1974-32]

シネマヴェーラ渋谷の特集「中島貞夫 狂犬の倫理」で、『極道VSまむし』を観る。

極道シリーズはたぶん『極道』[C1968-32]だけ観ていて、まむしシリーズは初めて。なので、両シリーズのパターンなどはよく知らないのだけれど、これは極道シリーズとまむしシリーズが合体したものというよりは、極道シリーズのゲストにまむしの兄弟を呼びました、というべきものだと思う(クレジットもそんな感じ)。ほとんど「極道VSまむし」という構図にもなっていない。

監督の本にも書かれていたように、極道とまむしが対等に張りあう映画を作ろうと思ったものの、諸般の事情で若山富三郎の映画になってしまったものと思われる。それならそれで、ちゃんとそれに合わせたお話に変えればよかったのに、なんだか中途半端。最初の若山富三郎だけが登場するところはそれなりにおもしろく観ていたのだが、菅原文太川地民夫が登場してからだんだんグダグダな展開に。

目当てはもちろん、若山富三郎ではなくて菅原文太だったけれど、どうもコメディの菅原文太にはあまり興味がわかない。観るのはたぶん初めてだけど。川地民夫はあまりにも出番が少ないと思ったが、いちばん最後においしいところをもっていった。