同じくヒューマントラストシネマ渋谷の三大映画祭週間2011(公式)で、郭小橹(グオ・シャオルー*)監督の『中国娘』を観る。この映画の中文タイトル“中國姑娘”は、『中国女』の中文タイトルと同じだ。
- 出版社/メーカー: アメイジングD.C.
- 発売日: 2012/05/02
- メディア: DVD
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李梅は故郷の村で男ともだちにデートレイプされたり、重慶で縫製工場の女工さんをクビになって怪しい床屋のセックスワーカーになったりするので、転落系のお話かと思いきや、そうではなかった。だからといって、男を踏み台にしてのし上がるわけでもない、というところがおもしろかった。男性に対して無防備だけど、媚びないし、どこか自然体でがつがつしていないのがいい。
向上心みたいなものもあるのかないのかよくわからないが、雑誌や新聞ではあるけれどいつも何か読んでいる。英語を勉強したり、水泳を習ったりもする。異なる文化に対しても、比較的先入観なく接していく。そののらりくらりした感じが見ていて心地よい。それでいて食べ物だけは中華料理が恋しいらしいのがまた、非常に納得できてしまうところ。
相手の男たちのなかでは、インド人のRachid(クリス・ライマン)がおもしろかった。モスクに通い、コーランを読み、豚肉はぜったいに食べない敬虔なムスリムだが、AV('love DVD'って言うの?)も見るし、万引きもする。それ、アラーは許さないと思うよ。彼がツインテールの東洋人の女の子を見たというAVは、日本のものに違いない。それで中国人のガールフレンドができたら、ミニのチャイナドレスを着せてみたり、ツインテールを勧めたりする。その気持ちはなんかわかるね。
李梅を演じる黄璐(ホアン・ルー*)は、場合によってかわいく見えたりブサイクに見えたりするが、長くてきれいな脚を持て余し気味にしている感じがいい。知らない女優さんだと思ったけれど、章明(チャン・ミン/ジャン・ミン*)の『結果』(id:xiaogang:20051126#p2)に出ているようだ。
それから、李梅がパンダTシャツを着ていたのでパンダ映画に認定。ヘンな役人の男に会いに行くときに着ていたけれど、ロンドンにも持って行っていたのでお気に入りなんだろう。絵がかわいかったので、あのTシャツほしい。