新文芸坐の特集「追悼 高峰秀子 アンコール」(チラシ)で、島耕二監督の『銀座カンカン娘』を観る。
高峰秀子、灰田勝彦、笠置シヅ子が歌いまくる脳ミソ空っぽのおめでたい歌謡映画。服部良一による主題歌がほとんどすべて。以前録画で観てかなりつまらなかった記憶があるが、期待せずに観たせいかそれなりにおもしろかった。
デコちゃんはまだなんとなく子役的雰囲気を漂わせている。灰田勝彦は歌手としてスターだからデコちゃんの相手役なんぞをやらせてもらっているが、別に二枚目ではないのでちょっと無理があるよな、とアップになるたび思う。笠置シヅ子は歌手としても好きではないけれど、お願い、そのアップやめて。
恩人の娘ということで身寄りのないデコちゃんを引き取っているおじさんが古今亭志ん生で、結婚することになったデコちゃんの送別会で落語を披露している。落語のことも落語家のこともぜんぜん知らないし興味もないので、どちらかといえば退屈だったが、「銀座カンカン娘」を「銀座パンパン娘」と言ったところは、この映画のなかでいちばんおもしろかった。でもそれを小さな女の子が訂正して、みんなで笑って済ますところがちょっと引っかかる。ちなみにわたしだったら、「銀座ランラン娘」と言いたいところである。