神保町シアターの特集「女優とモード 美の競演」(公式)で、中平康監督の『街燈』を観る。
銀座と渋谷で洋装店を経営する二人の女性の恋愛を描いたもの。月丘夢路、南田洋子、葉山良二、岡田真澄というキャストは、相当ショボいというか地味だが、おしゃれでモダンな映画に仕上がっている。モノクロで、ファッションそのものよりも映画全体の雰囲気がおしゃれ。あ、いちおう中原早苗も出ています。月丘夢路のパトロンが決して画面に写らなかったのだが、誰だか気になる。
モダンな雰囲気といいつつも、例によってベタなギャグはあるし、チンピラも出てくる。どうして日活映画は、どんな内容でもヤクザやチンピラが出てくるのだろうか。
会話から、月丘夢路と南田洋子は二十代後半らしいのだが、とてもそうは見えない。そんなわけはないんだけれども、無意識に「当然年上の女」という目で見ていることに気づく。最近の女性はずいぶん若く見えるようになったけれど、こういうオトナの女の雰囲気みたいなものは失われてしまったな、ということに思いを馳せた90分だった。
ところで、三日間で四度めの細川ちか子を見たんですが…。なんでこんなに?