今年は病院に入りびたりの一年だったので、病院が舞台の映画、あるいは主要な登場人物がお医者さんや看護師さんである映画のベストテンを選んでみた。今回は単に好きなものというわけではなく、出てくる比重やリストの多様性を考慮したもの。順番はつけがたいので、リストは製作年順。
- 『暖流』(吉村公三郎)[C1939-09]
- 『女醫の記録』(清水宏)[C1941-21]
- 『麦秋』(小津安二郎)[C1951-02]
- 『心のともしび』(Douglas Sirk)[C1953-V]
- 『愛染かつら』(木村恵吾)[C1954-V]
- 『男の顔は履歴書』(加藤泰)[C1966-13]
- 『赤い天使』(増村保造)[C1966-47]
- 『白い巨塔』(山本薩夫)[C1966-48]
- 『温泉あんま芸者』(石井輝男)(1968)
- 『四月の雪』(許秦豪)[C2005-03]
9本はあっさり決まって最後の1本に悩んだが、吉田輝雄様演じる吉岡先生が素敵なので『温泉あんま芸者』に決定。輝雄様といえば『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』[C1969-17]でもお医者さんだし、情けないと評判の『愛染かつら』[C1962-31]の津村先生ももちろん捨てがたい(でも今回は鶴田浩二を取った)。
今まで気にしたことがなかったが、小津映画にはお医者さんがたくさん出てくる。ひとつ選ぶなら文句なしに『麦秋』だが、『東京物語』[C1953-01]も捨てがたかった。『彼岸花』[C1958-04]の、映画には出てこない聖路加病院の若い先生も気になる。『東京暮色』[C1957-06]の女医さんが気になるという人もいるに違いない。
お医者さんでは、ほかに『バンコックの夜』[C1966-39]、『金門島にかける橋』[C1962-V]、『恐怖分子』[C1986-56]、『春の惑い』[C2002-21]、『密愛』[C2002-05]などが気になる。また、黄飛鴻やゲバラもお医者さん。一方、看護師モノはあまり見つからない。
病院のロケ地では、『悲情城市』[C1989-13]や『午後3時の初恋』[C2007-35]が魅力的。そういえば台湾映画には、かなりの比率で病院が出てくる。いちばん魅力的な病院シーンがあるのは『花蓮の夏』[C2006-17]かもしれない。そういえば、映画ではないが、いいかげん『ザ・ホスピタル』が観たい。
今度自分が病気になったら、難病モノベストテンを選ぶことにしよう。