実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『ホット・サマー・デイズ(全城熱戀熱辣辣)』(夏永康、陳國輝)[C2010-21]

東京国際映画祭18本めは、六本木ヒルズで夏永康(ウィン・シャ)監督、陳國輝(トニー・チャン)監督の『ホット・サマー・デイズ』(TIFF紹介ページ)。アジアの風・アジア中東パノラマの一本。

異常に暑い夏の香港と大陸を舞台に、5組の男女のラブストーリーを並行して描いたコメディタッチの映画。5組の男女を演じるのは、張學友(ジャッキー・チュン)と劉若英(ルネ・リウ)、謝霆鋒(ニコラス・ツェー)と徐熙媛(バービィー・スー/大S)、吳彥祖(ダニエル・ウー)と徐若瑄(ビビアン・スー)、段奕宏と詩雅、楊穎(アンジェラベイビー)と井柏然。ゲストで、張曼玉(マギー・チャン)や余文樂(ショーン・ユー)も出ている。

どのストーリーも、過剰にドラマチックで、クサくて、コテコテで、非現実的。特に吳彥祖と徐若瑄のが最悪。めずらしく徐若瑄は若づくりキャラではなかったけれど(でもまあ、ぶりっこ)、ピンクのポストイットでハートって、はづかしくて見ていられない。と書きながら思ったが、わたしはたぶん徐若瑄という女優がきらいだ。

異常に暑いということが冒頭で強調されたわりに、そのことと各ストーリーとの関わりも不十分。映像も、アートっぽいつもりなんだろうなという感じのもので、あまり惹かれるところはなかった。みんなが汗をだらだらかいているわりに、映像が灼熱を感じさせてくれない。

映画祭でやる映画というより、お正月映画みたいだと思ったが、本当にお正月映画のようだ。なぜ今回アジアの風のラインナップに選ばれたのか釈然としないが、単に夏永康が撮ったから?