実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『ギャランツ〜シニアドラゴン龍虎激闘(打擂台)』(郭子健、鄭思傑)[C2010-12]

東京国際映画祭9本めは、同じく六本木ヒルズで郭子健(デレク・クォック)、鄭思傑(クレメント・チェン)監督の『ギャランツ〜シニアドラゴン龍虎激闘』(TIFF紹介ページ/公式(海外))。アジアの風・【生誕70年記念〜ブルース・リーから未来へ】の一本。往年のカンフースターたちが活躍する、香港版『スペース・カウボーイ』[C2000-13]。といっても宇宙へ行くわけではなく、悪者と対決して功夫の技を披露する。

基本的にはコメディで、ちょっとほろりとさせて、老人たちの活躍のなかでひ弱な若者が成長する姿を描き、ちょっと前向きなメッセージを押しつけがましくなく提示するという、よくできた王道的娯楽映画。往年のカンフースターの活躍ぶりがとにかくかっこよく、古ぼけた茶樓のレトロな雰囲気もいいし、映像も美しい。難をいえば、観終わるとすっきりしてしまって、いまひとつ余韻が残らない。

中心となる往年のカンフースターは梁小龍(ブルース・リャン)と陳觀泰(チャン・カンタイ)。梁小龍の映画はたぶん観たことがないが(『Gメン'75』に出ているのはたぶん数年前に見ている)、陳觀泰は2004年に『若い人(年輕人)』[C1972-22]で観た。張徹(チャン・ツェー)が武侠映画のノリで撮った学園モノ青春映画(陳美齡(アグネス・チャン)ご出演)。陳觀泰がやっているのは結局功夫対決だったりするが、青春映画のあまりの似合わなさが印象的だった。このときのQ&Aで、陳美齡は「陳觀泰はどこにいるかわからない」と言っていたが、ちょうどこのころからまた映画に出ているようで、今回はアップにもばっちり耐えるかっこよさ。

脇役ながら陳惠敏(チャーリー・チャン)も出ている。以前、必然性もないのに脱いで自慢のホンモノの刺青を見せる、というシーンがすごく印象に残っていたので、今回も、いつ脱ぐか、いつ脱ぐかと楽しみにしていたのに、結局脱がなくて残念でした。

上映後、郭子健監督、鄭思傑監督をゲストにQ&Aが行われたが、次の予定があるためパス。10月23日に行われたQ&Aのレポートはこちら(LINK)。