実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『冬休みの情景(寒假)』(李紅旗)[C2010-09]

TIFFは今日は2本でおしまいで、渋谷へ移動してNHKアジア・フィルム・フェスティバル(公式)へ。雨も降りだしており、会場のNHKみんなの広場ふれあいホールまで行くのが憂鬱だが、バスにするか迷って結局歩く。渋谷は、パルコあたりまでは何とも思わないが、その先は地の果てのイメージ。でも行ってみればパルコからすぐで、公園に入ってからが遠いと思っていたのもただの思い込み。

観た映画は、李紅旗(リー・ホンチー)監督の『冬休みの情景』。内モンゴルを舞台に、冬休みの終わりから新しい学期のはじめにかけての数日間を描いたもの。少年たち、その家族、ガールフレンドなどの日常が描かれている。

動かないカメラ+長回しという、スタイル的にはわたし好みの映画。カメラの向こうの人たちもあまり動かないので、ひとつのひとつのショットを絵のように見せられ、それらが忘れがたく記憶にすり込まれる。殺風景な街の雰囲気や、ちょいと『麦秋[C1951-02]のイサムちゃんを思わせる、ブサイクかわいい男の子の顔など、長く印象に残る。台詞も少ないが、出てくる人たちはみんなどこかヘンで、独特のユーモアをたたえている。白菜を買うシーンや、毛糸の帽子をめぐるエピソードがおかしい。