実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『女神(神女)』(吳永剛)[C1934-08]

フィルムセンターの「フィルム・コレクションに見るNFCの40年」(公式)で、吳永剛(ウー・ヨンカン)監督の『女神』を観る。阮玲玉(ロアン・リンユイ)主演の伝説的な映画。

子供を育てるために娼婦になった女(阮玲玉)が、これでもかこれでもかと不幸になっていく話。最初のほうは阮玲玉のたたずまいがモダンな雰囲気で、「阮玲玉って中国の桑野通子かも」などと思いながら楽しんでいた。しかし、ヒモがついてからは観客の予想どおりに悪いほう、悪いほうへと進んでいき、いくら「不幸が似合う女」阮玲玉といえども観ているのがしんどい。議論や裁判など、サイレントに不向きなシーンが多いのもつらい。阮玲玉は熱演しているし、1934年の映画としてはなかなかよくできている。

ところで、阮玲玉の映画のたびに「この人は果たしてそんなに美人なのか?」と思いながら観るのだけれど、どうもよくわからない。メイクのせいか、サイレントの女優は西洋人も東洋人もけっこう同じ感じに見える。