続いて『冬物語』。
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2004/03/20
- メディア: DVD
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ヒロイン、フェリシー(シャルロット・ヴェリー)にとって、本命はシャルル(フレデリック・ヴァン・デン・ドリーシュ)と決まっている。しかし彼は音信不通で、これまで手を尽くして探しても見つからなかった。つまり、リスク=高。二番めが美容院の雇い主、マクサンス(ミシェル・ヴォレッティ)。彼には妻がいる。リスク=中。三番めが図書館に勤めるインテリのロイック(エルヴェ・フュリク)。母親にも娘にも評判がよく、リスク=低だが、フェリシーにとっては補欠的な位置づけのよう。ほとんど行動せず、ぐだぐだと迷う『夏物語』のガスパールとは違い、フェリシーはみんなと積極的におつき合いしたあげく、本命のシャルルを選ぶと、ご褒美にシャルルが現れてハッピーエンド。なるほどとは思うものの、やはりわたしはガスパールのほうに共感する。
フェリシーが、無教養ながら自分なりの哲学にたどり着くというのは、『春のソナタ』[C1990-12]で哲学教師のジャンヌが生徒について語る話を連想させて興味深いが、いまひとつリアルな感じがしない。
今回、春夏秋冬の順序で観て、春と秋、夏と冬が対をなしていることに加え、春と夏が少し苦い結末に、秋と冬が幸福感あふれる結末になっていることなど、シリーズを通しての緻密な構成に、やられたという感じである。スカパーで放映されたときに『春のソナタ』と『冬物語』を撮っておかなかったのが非常に悔やまれ、撮った『夏物語』と『恋の秋』もできればDVDがほしいので、ぜひとも再発をお願いします。