実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『輪舞』(Arthur Schnitzler)[B1384]

アマゾン・マーケットプレイスで注文したシュニッツラーの『輪舞』がやっと届いたので、さっそく鎌倉駅前のエクセルシオール・カフェへ読みに行って読了。

輪舞 (1952年) (新潮文庫〈第434〉)

輪舞 (1952年) (新潮文庫〈第434〉)

映画を観るまえに原作を読んでおかなかったのを後悔。でもやはり、原作のほうが台詞も多く、細かい心理がわかっておもしろい。親称と敬称の使い分けなども興味深かった。映画は前半のほうがおもしろかったが、わたしが途中で字幕から脱落したせいではないらしく、戯曲も前半のほうがおもしろく感じた。

思ったとおりつなぎの狂言回しは原作にはない。直接つながっているほうが、二話続けて同じ人物が登場しているのがわかりやすくていいように思う。ひとりの人物は同じだが、相手の身分やタイプ、相手への態度がかなり違ったりするので、その落差が感じられておもしろい。

当時のウィーンの風俗が描かれているのを期待していたが、それほどでもなかった(知識があれば読み取れる部分は多々あるとは思うが)。出てくる場所は次のとおり(会話中も含む)。

  • (1) アウガルテン橋、船小路(シッフ通り)
  • (2) プラーター公園、ヴルステルプラーター、瀬戸物小路(ポルツェラーン通り)、スヴォボダ(ダンスホール)
  • (4) シュヴィント小路
  • (6) リートホーフ(レストラン)、ジンガー通り、オペラ、シュトロッチー小路
  • (7) オペラ、ブルク劇場
  • (10) ザッヘル、鏡小路(シュピーゲル通り)

固有名詞を訳さないでほしいものだ。