朝から出京して渋谷へ。セガフレードでモーニングプレートを昼ごはんに食べてから、シネマヴェーラ渋谷(公式)へ行く。現在の特集は「映画史上の名作3」。お目当ては一本めのマックス・オフュルス監督『輪舞』。
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- 発売日: 2003/05/23
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シュニッツラーの戯曲の映画化で、身分も職業もさまざまな10人の男女による10件の情事を描いたもの。つまり、第1話は女Aと男Bの話、第2話は男Bと女Cの話……と進んでいって、第10話は男Jと女Aの話で輪が閉じる、という仕掛け。このような構造はたいへんおもしろいが、これはもちろん原作そのまま。おそらく原作にはないと思われるのは、狂言回し(アントン・ウォルブルック)が10のエピソードをつないでいくところ。つなぎの部分に映画ならではの工夫をしたいというのはわかるが、この狂言回しが必要かというとそうでもない気がする。却って流れを中断しているというか、ちょっとウザい感じもした。
10のエピソードで描かれているのはセックスの前後で、合意形成のプロセスや、やったあとの態度の変化など。したがって会話の重要度は高く、英語字幕ではかなり辛いものがあった。わたしの英語力に問題があるうえに、モノクロで字幕が見えにくく、文字認識する前に消えてしまったりして、途中からかなり脱落状態に。やはりこれは日本語字幕で観たい。
10人の男女を演じているのは、シモーヌ・シニョレ、ダニエル・ダリュー、ジェラール・フィリップ、ジャン=ルイ・バローといった名だたる俳優たち。超豪華な雰囲気だが、セットのウィーンで、フランスの俳優がフランス語で芝居をしているので、ウィーンという雰囲気はいまひとつ感じられないのが残念。ところで、シモーヌ・シニョレの美しさと舒淇(スー・チー)の美しさは同じカテゴリーだと思う。
シュニッツラーの『輪舞』の映画化はロジェ・ヴァディム版もあって、これはヴィデオで観たはずだが、あまりおもしろくなかったという以外、ひとかけらも憶えていない。今だったら、舞台を現代のソウルにして、構造だけ借りて話は全部作り直して、洪尚秀(ホン・サンス)が映画化したらおもしろそう。ただし洪尚秀の場合、5人が似たような男性にならないように注意する必要がありそうだが。
この映画を観ていたら、なんとなく昔流行った「この子誰の子」というパーティーゲームを思い出した。