『女優魂 中原早苗』を2日で読了。
- 作者: 中原早苗,田丘広
- 出版社/メーカー: ワイズ出版
- 発売日: 2009/08
- メディア: 単行本
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印象的なのは、次のようなところ。
- 好き嫌いがはっきりしていて、褒める人は何度でも褒める、けなす人は遠慮なくけなしている。
- 出演作を遠慮なく忘れている。「覚えてない」はまだいいほうで、「知らない」も連発。
- 「仕事だから何でもやる」と繰り返していて、芸術家ぶったり表現者ぶったりしないところが気持ちいい。
「赤木圭一郎はいい男だった。」(p. 80)とか、郷硏治のことを「いい俳優だった。錠さんよりずっといい。」(p. 82)とか言っているのがうれしい。赤木圭一郎が事故を起こす前日のことも語っている。演技に関しては、轟夕起子、長門裕之などを何度も褒めている。いちばんけなしているのは、結婚しかけて逃げたという川地民夫。「いいのは陰湿な役だけでしょ。そっちはうまいはずよ。」(p. 65)とか。鈴木清順をはじめ、監督はけなされまくり。
それから、芸名の「中原」が、田中絹代と原節子から取ったというのが衝撃的。
彼女の出演作はかなり多いが、わたしが劇場で観ているのは20本程度。そのなかで、役の大小を問わず代表作と思うものを挙げると次のようになる。
- 『男の顔は履歴書』(加藤泰)[C1966-13]
- 『関東無宿』(鈴木清順)[C1963-07]
- 『あした晴れるか』(中平康)[C1960-42]
- 『紅の翼』(中平康)[C1958-21]
- 『日本俠客伝 血斗神田祭り』(マキノ雅弘)[C1966-11]
しかし彼女は、『あした晴れるか』も『関東無宿』も憶えていないそうだ。ひどいね。どうして『あした晴れるか』で色黒だったか聞いてほしかったけれど、もちろん憶えていないでしょうね。出版記念に『男の顔は履歴書』のDVD化を熱烈希望。