実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『台北美味しい物語 - 小さな食堂で食べる気取らない品々』(内海彰)[B1331]

台北美味しい物語 - 小さな食堂で食べる気取らない品々』読了。

高くておしゃれなレストランではなく、街の小さな食堂や屋台を紹介している点、マイナーな夜市を紹介している点がよい。

しかしながら、紹介されている料理の種類がけっこうナゾである。台湾らしいものも紹介されているが、あまりわたしの琴線にふれるもの(魯肉飯とか)がなく、その代わり苦手な内臓系が多い(それは苦手なあんたが悪いといわれればそれまでだが)。台湾もの以外に、なぜか燒臘や茶餐廳、東南アジア系エスニック料理の紹介に多くのページが割かれている。わたしは叉焼飯も好きだし、香港の茶餐廳は大好きだけど、そんなのは香港で行けばいいと思う。最近なぜか台湾にもできはじめた茶餐廳は、何か勘違いしているらしくて高くておしゃれだと聞いたこともある。エスニックも好きだし、ミャンマー人街が紹介されていたのはうれしいが(いちど行ってみたいので)、もう少し台湾ものにページを割いてほしいものだ。

著者はグラフィックデザイナーで、本のデザインも写真も著者自身によるものらしいが、悪いけどこのデザインはあんまりである。写真のほうは、風景の写真はかなりいいのに、なぜか食べ物の写真がいまひとつおいしそうじゃない。食べ物の紹介がメインの本なのに。でも風景のほうは、内容的にも國宅とか眷村とか、琴線にふれるものが多かった。とりあえず南機場夜市、というより國宅が並ぶあのあたりにぜひ行ってみたい。

最後に地図がついているのはお店紹介本としてふつうだが、これがまたナゾだった。だって載っているお店がプロットされていない。どこの地図だという説明もない。存在意義がわからない。まさか、自分でプロットするための白地図なのか? お店の営業時間などのデータがないのも不親切だと思う。