実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『九份・淡水・桃園と台北近郊 - 歴史遺産の宝庫をめぐる』(邸景一、荻野純一、中島賢一、伊東ひさし、柳木昭信)[B1310]

九份・淡水・桃園と台北近郊 - 歴史遺産の宝庫をめぐる』読了。

旅名人ブックス109 九分・淡水・桃園と台北近郊

旅名人ブックス109 九分・淡水・桃園と台北近郊

去年、旅名人ブックスというシリーズから台湾本が大量に出た。日本のふつうのガイドブックにはほんのちょっとしか記述がないところも取り上げられており、ほとんど買った。でも今まで読んでおらず、やっと一冊めを読んだ。

読むのに時間がかかるのは、おもしろくないからだ。文章で書かれているが、旅行記ではない。旅自体が目的ではなく、ガイドブックを書くための旅だから、著者のこだわりがないというか、著者の顔が見えないというか、そういう点でおもしろくないのだと思う。でもガイドブック的な客観的な内容かといえばそうでもない。日本が残したものに出会うとやたらと喜ぶ、特に神社に弱いという、最近よくあるパターン。がっくり。

やたらと「であった」を連発する文体も嫌い。写真だけは豪華で、オールカラーで数も多く、そのために紙も上質だ(したがってやたらと重い)。しかしそのわりにぱっとせず、「なんでそこ撮るかな」「なんでこういうアングルで撮るかな」とつっこみたくなるものがすごく多い。写真中心といってもいい構成なのに、写真が単なる資料にしかなっていない。もったいない。

九份の紹介に比較的多くのページが割かれているが、しつこくしつこく『非情城市』と書かれているのにもうんざり。