実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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熱海旅行復路:熱海→鎌倉

6時に起きて大浴場へ。ここのお風呂は、設備も清潔さも特に問題はないが、やはり露天でないせいかいまひとつ楽しくない。お風呂のあとは朝ごはん。このあたりの朝食の楽しみといえばアジの干物。小魚もあってカルシウムはたっぷり取った。でもお酒もないのに朝からお刺身はいらないし、多すぎて食べきれない。品数はもっと少なくていいから、食後に珈琲を出してほしい。部屋食だから無理だろうけど。

10時ごろチェックアウトして、車は置いたまま出かける。キワモノは昨日すませたので、今日は渋いところを回る予定。まず向かったのは起雲閣(公式)。内田信也の別荘として1919年に竣工した建物で、1925年に根津嘉一郎の別荘となり、1947年に桜井兵五郎が旅館を開業して起雲閣という名前になった。1999年まで旅館だったとのことで、いっぺん泊まってみたかったな。2000年に熱海市の所有となり、一般公開されている(熱海市指定有形文化財)。


広大な日本庭園を囲んで、日本家屋(上左写真)や洋館(上右写真)がぐるりと建ち並ぶ。入場料500円のところをビーチライン割引で400円で見たが、昨日から訪れたところではここがいちばんコストパフォーマンスがいい。根津嘉一郎時代に建てられた洋館は、少し派手だが、ステンドグラスの天井とタイル張りの床のサンルームが気持ちよさそう。旅館時代には文豪がいろいろ滞在したようで、タイミングよく武田泰淳が『貴族の階段』[B1328]を書いた部屋があった。そこは日本家屋だったが、西の丸邸の参考にしたのは起雲閣別館らしい。別館は残念ながらすでにないが、こういうのをすぐに壊すから零落するんだよ、熱海。

坪内逍遥の別荘だった双柿舎も近くにあるらしく、外観だけでも見ようと思って行ってみたら、日曜日で公開していた。早稲田大学の所有だが、学生が泊まって飲んで騒いで老朽化したということで、屋内には入れない。本館や東館(下左写真)は日本家屋だが、逍遥が設計したおもしろい形の逍遥書屋(下右写真)もある。坂が多くてしんどいが、熱海もこのあたりまで来れば、ちょいと住んでみたい静かないいところ。逍遥も下のほうに住んでいて、うるさいのでここに移ったのだそうだ。


熱海の街中も、よく見ると熱海商工会議所(下左写真)だとか、お菓子屋さんのときわぎ(下右写真)だとか、渋い建物が点在している。

今日は暖かくなるという数日来の予報は予想どおりはずれ、陽射しも少なくて寒い。でも初川沿いには熱海桜(下左写真)が、起雲閣には梅(下右写真)が咲いている。

熱海を彩るのは建築や花だけではない。動物もいる。双柿舎には羊(下左写真)が、ソフトバンクの前にはなぜか馬(下右写真)が。

昼ごはんは、熱海駅前の古民家カフェKICHI(公式)でカレーを食べる。なかなかおしゃれで居心地のよい店で、したがって熱海にいる気がしないのが難点だ。帰りは走り湯に寄るつもりだったが、熱海ビーチラインに入ったら行けないことがわかって断念(往復チケットを買っていたのだ)。代わりに熱海梅園に行こうとしたら、駐車場が1000円(離れたところで500円)なのでやめる。通りから俯瞰したところでは、梅はたいして咲いていないのに、人と出店ばかりが多くて風情がない。

帰りはわりと順調で、2時間ほどで帰宅。前回作ったCDは、155曲入れたら一回の旅行で聴ききれないことが多いので、今度は100曲入りにしたが、それでも97曲めまでしか聴けなかった。やはり熱海は近い。今回は走り湯に行けなかったし、ブルーノ・タウトが内装を手がけたという旧日向別邸にも行っていない。ぜひもう一度熱海に行かねばならぬ。