実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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鎌倉→御岳→奥多摩湖→鎌倉

女の中にいる他人[C1966-03]のロケ地を知って(id:xiaogang:20080811#p2)以来、機会をうかがっていた奥多摩に、ついに行くことになった。

昔電車で行ったことがあり、けっこう近いと思っていたが(でもそのころは東京に住んでいたんだよな)、早く出ないとお昼までに着かないとJ先生が脅すので、しぶしぶ8時半に出発。実は全然信じていなくて、結局早く着いちゃうんだろうと思っていたのに、御岳に着いたのはほとんどお昼だった。ルートは、鎌倉街道(神奈川県道21号)→横浜横須賀道路保土ヶ谷バイパス八王子街道八王子バイパス(ここまで国道16号)→滝山街道(国道411号)→奥多摩青梅線(東京都道45号)。

まず、玉堂美術館手前のまヽごと屋のいもうとやで昼ごはん。それから御岳トンネル(上左写真)と払沢トンネルで『女の中にいる他人』のロケ地チェック(詳細は次項)。奥多摩に来た目的はこれだけで、重点実施項目はほんの10分ほどで終わり。でもせっかくなので附近を散歩。多摩川ではカヌーの全日本選手権が開催されていてにぎやかだが、そのぶん風情がない。対岸には河鹿園(公式)という渋い旅館(上右写真)。いっぺん泊まってみたい。多摩川には、アーチ型の御岳橋(下左写真)が架かっていて、「あの上に立ちたい」という衝動に駆られる。しかしいざ行ってみると、なんということはない。橋の上からは橋の美しい形は見えないのだ。橋から眺める御岳渓谷は、すでに色づきはじめていて美しい(下右写真)。「『ゆれる』[C2006-02]ごっこするぞ」と言って高所恐怖症のJ先生を脅しながら、吊り橋の御岳小橋を渡って玉堂美術館サイドに戻る。


せっかくなので奥多摩湖へも行ってみるが、美しいわけでも渋いわけでもなく、気の利いた茶屋もなく、おもしろいものは何もない。家族連れが多く、「こんなとこはガキの来るところじゃ」と思う。でももしかしたら、井上梅次の『死の十字路』[C1956-29]三國連太郎が死体を捨てに来るのはここではないだろうか。『女の中にいる他人』と『死の十字路』の共通点といえば新珠三千代。というわけで、今日のキーワードは新珠三千代

15時半ごろ帰路につく。帰りは青梅街道(国道411号、東京都道5号)から国道16号に入るが、あとは行きと同じ。二俣尾のあたりでお祭りの山車に行く手を阻まれたり、何度も渋滞にはまる。とても夕方までに帰り着けないので、途中の魚角で晩ごはん。20時すぎにやっと帰宅。ずっと聴いていた自家製映画音楽CDは、なぜかこのまえの箱根と同じくアラン・ドロンの『レティシア』まで進んだ。

わたしのなかでは、「奥多摩=日帰りで行くところ」「箱根=泊まりがけで行くところ」だったが、奥多摩のほうが全然遠くて、運転もせずにぼーっとしているだけでも、日帰りドライブはとても疲れた。疲労困憊のうえ、名物の柚子羊羹も食べられなくて最悪だ。唯一の用事が終わってしまったので、また行く機会があるかどうかわからないが、「今度は河鹿園に泊まってのんびりするぞ」とかたく心に誓う秋の夕暮れ(じゃなくて夜)。