実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『赤い風船(Le ballon Rouge)』(Albert Lamorisse)[C1956-S]

続いて『赤い風船』(映画生活/goo映画)。これはずっと前に好きな映画監督が名前を挙げていて、それ以来観たいと思っていたもの。だけどその映画監督が誰だったのか、どの作品に関連して言及していたのかはすっかり忘れてしまった。タルコフスキーだったかな。

少年と赤い風船との交流を描いた、たいへんかわいらしい映画。ちょっと昔のパリの街は、すべてのショットが絵はがきのように美しく、少し霞んだくすんだ色合いに赤い風船がよく映えている。

しかしながら、わたしは世間の多くの人たちほどにはこの映画に魅せられなかった。その理由のひとつは、ふつうのリアルな風船ではなく、不思議な力というか意志をもった風船という設定が、メルヘンやファンタジーが苦手なわたしにあまりアピールしなかったこと。もうひとつの理由は、わたしはこの少年が苦手です。ジャージみたいなヘンなパンツやかわいらしい顔が醸し出す幼い雰囲気と、妙に大人びた表情や仕草とがアンバランスでかなり気持ち悪い。

ところでこの二本立ては、誰よりもまず子供に見せるべきだ。ところが映画館に子供連れは皆無だった(ように見えた)。世の中のおとうさん、おかあさん、子供たちには、ポニョやカンフーパンダではなく、これかチェブラーシカを見せなさい(チェブラーシカのほうがモアベター)。