実録 亞細亞とキネマと旅鴉

サイトやFlickrの更新情報、映画や本の感想(ネタばれあり)、日記(Twitter/Instagramまとめ)などを書いています。

『ゲーテ『イタリア紀行』を旅する』(牧野宣彦)[B1277]

ゲーテ『イタリア紀行』を旅する』読了。

つまらなかった。電車の中で何度爆睡したことか。何度本を落としたことか。めったにしない乗り越しだって二度もした。

別にゲーテに興味はないのだが、イタリアへ行くなら『イタリア紀行』を読むべきなのか、とちょっと思っていたところに出た本。『イタリア紀行』に出てくるところを写真つきで紹介するというもので、「これは便利」と思ったのだが…。

古いものが好きだけれど、その古いというのは50年から100年くらいで、それ以上古いものにはあまり興味がない。そんなわたしにとって、ゲーテの時代からあるものなんてそれほど興味がわかない。それに今でも残っているのは、観光ガイドに載っているような超有名なものばかり(たぶん)。引用のしかたの問題かもしれないが、ゲーテのコメントにもあまり心惹かれるところはないし、著者のコメントはさらにそうだ。

ゲーテの言葉で唯一印象に残ったのはこれ。

シチリアなしのイタリアでは、ぼくらの心の中にいかなるイメージもつくりえない。シチリアにこそすべてを解く鍵がある(p. 191)

さすがにシチリア篇は、ほかよりはおもしろかった。

内容もそうだけど、それ以前に本のつくりが気に入らない。本を作ったことはないが、今ではコンピュータでレイアウトもできるというのに、どうして本っていつまでたってもこうなの?、と思う。記述と写真が違うページにあっても意味がないでしょ。

わたしだったら、こんなふうに作る。

  • 日付のあとに、取り上げるかどうかに関わらず、その日ゲーテが訪れた場所を全部箇条書きにする。
  • 取り上げる場所については、名称、写真、『イタリア紀行』からの引用を三つ組みで載せる。
  • 『イタリア紀行』と同じ日にその場所を訪れて写真を撮る(公開日の都合などがある場合は訪問日を明記)。
  • 都市ごとに旅行記をつける。