バンガロールに来ちゃったの

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『カラマーゾフの兄弟1〜5』(ドストエフスキー)[B1252-1][B1252-2][B1252-3][B1252-4][B1252-5]

カラマーゾフの兄弟1〜5』読了。ここのところ読了本が少なかったのは、ずっとこれを読んでいたからである。1ヶ月以上かかってしまった。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)

村上春樹もJ先生もはまっている『カラマーゾフの兄弟』。かなり前に新潮文庫版に挑戦し、あと少しで上巻を読み終わるというところまで行ったのだが、挫折というよりなんとなく自然消滅してしまった。一昨年から出始めた光文社古典新訳文庫版の評判がよくて気になっていたところ、J先生が買ったのでわたしも読むことに。今度は読破できた。

しかし結局のところ、わたしはそんなにはまらなかった。生まれたときから神などおらず、いるかどうかなど考えたこともない者にとって、やはりキリスト教だの神だの信仰だのといったことが延々と語られるこの小説はきついし、そもそもその枠組みをすんなり受け入れることはできない。さすがに物語はおもしろいし、興味深いところは多々あったが、やはりなんと言っても、登場人物の多くががんがんしゃべりまくり、その内容は観念的で、自分の言いたいことばかりしゃべるため噛み合っておらず、みんな力が入っていてびっくりマークだらけ…というのが苦手だ。

一方、ロシアが近代化しつつあって社会が大きく変わろうとしている時代背景が、現在と多くの類似点をもっているように思えて興味深かった。特に、司法が近代化されて公開裁判が始まった時代の、陪審員による誤審という点が、裁判員制度導入を控えた今の日本にとって非常に示唆的だと思う。鑑定に基づく捜査や立証はまだほとんど行われていないのに、心神喪失による減刑が裁判の中で語られているのも興味深い。

新訳については、よくも悪くもあまり印象に残らなかった。会話の言葉づかいが現代風になっていることはさすがに気づいたし、いいと思うが、まだところどころ典型的役割語みたいなのも使われていた。