実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『私たちの十年(我們的十年)』(賈樟柯)[C2006-S]

今日の二本目、東京フィルメックス八本目の映画は、賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の『私たちの十年』。次の『東(Dong)』がメインプログラムで、これはおまけの10分足らずの短篇。“南方都市報”(公式)の十周年記念で依頼されたものらしい。

舞台は列車の車両。田原(ティエン・ユェン)が趙濤(チャオ・タオ)と同じ車両に乗り合わせるというシチュエーションが、十年にわたって何度か繰り返される。十年のあいだの変化は、田原が趙濤を写す道具(スケッチブック、カメラ、ポラロイド、カメラつきケータイ)、人々のファッション、趙濤の連れなどによって表されている。趙濤の夫役は『プラットホーム』[C2000-19]の梁景東(リャン・チントン)(だよね?)。具体的な年代を表すものはSARSしかわからなかったが、ほかにもあったのだろうか。家族が増えていった趙濤がふたたび一人になるのは、果たしてSARSのせいなのか、それとも中国の家族観の変化を表しているのだろうか。

各時点のあいだに挿入される線路のショットが印象的。南方都市報は廣州の新聞社のようだが、この景色は南方には見えなかった。田原が賈樟柯に出たと聞いて楽しみにしていた映画だが、期待に違わず田原はすごくかわいかった。彼女は本当に不思議な魅力がある。日本では(その筋の人にのみだけれど)けっこう有名な彼女だが、中国では無名とのことで、賈樟柯はなかなか目が高い。