実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『黒帯三国志』(谷口千吉)[C1956-31]

続いて二本立てのもう一本、谷口千吉監督の『黒帯三国志』(映画生活/goo映画)。三船敏郎主演の柔道映画、かと思いきや、これもあんまりスポーツ映画ではない。

親も同然の柔道の先生が佐分利信で、その娘が香川京子という豪華キャストな九州篇は悪くないが、破門されて東京へ行ってから、田中春男の人買いに騙されて肉代労働させられる北海道篇はいまいちだ。

ミフネは例によって、腕が立って女が苦手で単純で苦悩しないいつものミフネである。今度は中学出(明治の話である)で海外留学生の試験を受けるインテリだが、やっぱり苦悩しているようには見えないし、いつも勉強しているのにやっぱりバカに見える。どうしてこういう役がはまり役だと思われているのかよくわからない。『妻の心』[C1956-17]と同じ年の映画なのに、なんでこうも違うんだ。平田昭彦が虚無的な肺病病みの空手家を壮絶に演じていて、平田昭彦のショットからミフネのショットに変わると、本当にバカに見える。小堀明男も潜入刑事役で出ていて、けっこうおいしい役なのに『次郎長三国志[C1952-08]同様バカみたいに見える。

ミフネは当然女にもてて、香川京子岡田茉莉子久慈あさみという豪華女優陣に迫られる。わたしの好みはどちらかというと岡田茉莉子だが、ここでミフネをゲットするのはやっぱり香川京子である。香川京子はすごくかわいくて、彼女とミフネが並んで歩いたりするシーンがこの映画のいちばんの見どころだ。

晩ごはんはもちろんとんき。午後中スポーツしていたわりにはおなかの減りがいまいちだったが、ひれかつをおいしく食べた。