今日は『雨の味』を観たらさっさと帰る予定だったのに、J先生が美容院に行くというので不満たらたら。ところがちょうどシネマヴェーラで『直撃地獄拳 大逆転』(映画生活/goo映画)をやるとわかって上機嫌。はなまるうどんでしょうゆの中をかきこんで、シネマヴェーラ渋谷へ急ぐ。ニュープリントだし、二本立ての2本目だし、もう席がないんじゃないかとマジで心配したのに、行ってみたらすいていた。始まる直前に、見渡すかぎりおんなのこがいない(女はいるが格闘技系とかそういう意味ではなくて)ことに気づいてあせる。「まわりじゅうおっさんな不安」の中で始まった映画は、本篇中のショットをつないだタイトルバックが妙にエロく、「実はエロ映画?」とさらに不安を高めたが、実はほとんどすべてのエロシーンを総動員していたことがあとで判明した。
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池部良も出ていて、映画にニセのまじめな雰囲気と高級感を出すのに成功しているが、丹波哲郎も出ていたのが嬉しい驚きだった。しかもただのじいさんかと思わせて、実は100%タンバな役。秘書の志穂美悦子も実は香港警察だったが、だからといってその上海雑技団みたいな格好は何ですか? 最後は『網走番外地』[C1965-09]のパロディで、嵐寛寿郎まで出ているのがすごい。
ちなみにこれは「スポーツする映画たち」という特集。スポーツの映画ってありそうでなかなかないが、ランナップを見ると格闘技が多くてなんとなく納得。『直撃地獄拳 大逆転』は空手映画だと思っていたらそういうシーンは意外に少なく、これをスポーツ映画と呼ぶ人も滅多におるまいが、そこがこのプログラムの楽しいところでもあろう。今年は、特集上映もないのに石井輝男映画をもう5本も観ていて、我ながらエラいと思う。この特集では、デビュー作の『リングの王者 栄光の世界』も上映されるが行けそうにない(宇津井健のために有休は取れない)。次の「グラインドハウス A GO GO! タラちゃんとゆかいな仲間たち」では『徳川女刑罰史』があるのでこれは行かねばなるまい。