実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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第20回東京国際映画祭総括

今年の東京国際映画祭について、とりあえずまとめておく。

  • 観た数は、提携企画を入れて15本と少なめ。
  • いちばん残念だったのは、彭浩翔(パン・ホーチョン)の『出エジプト記』が観られなかったこと。すごく観たい映画が観られなかったのはこれが初めて。これは明らかに、会場割り当てのミスだと思う。
  • ベスト3を挙げると、『セクシー地帯(ライン)』(id:xiaogang:20071025#p1)、『タイペイ・ストーリー』(id:xiaogang:20071021#p1)、『海辺の一日』(id:xiaogang:20071024#p2)。こんなに旧作ばかりでいいのかと思うが、優れた旧作を上映するのも映画祭の重要な役目である。『高麗葬』(id:xiaogang:20071020#p3)も含め、旧作は充実していた。
  • 自主企画に限れば観なくてもよかったようなものはなかったが、新作はいつもに比べて秀作が少なかったように思う。
  • 掘り出し物は、マレーシアのDeepak Kumaran Menon(ディーパク・クマーラン・メーナン)監督(『ダンシング・ベル』(id:xiaogang:20071022#p1)、『砂利の道』(id:xiaogang:20071027#p2))。やはり、いまマレーシア映画が旬だと思う。
  • コンペティション部門の映画は、『ハーフェズ ペルシャの詩』(id:xiaogang:20071021#p4)と『思い出の西幹道』(id:xiaogang:20071027#p1)しか観ていない。結果は、『ハーフェズ ペルシャの詩』は無冠、『思い出の西幹道』は審査員特別賞を獲ったわけだが、私は『ハーフェズ ペルシャの詩』のほうがよかった(ここまで去年(id:xiaogang:20061115#p1)とほぼ同じ文章)。ジャリリにグランプリをあげたかった。
  • 予想したことだが、「2007東京・中国映画週間」のラインナップはかなりひどかった。
  • 私が参加した範囲では、ティーチ・インがまともだった。いずれも、プログラミング・ディレクターの人が司会をしていたのがよかった。でもレポートを見るとあいかわらず襟川クロとかも出ているようだから、すべてがまともだったわけではなさそうだ。
  • 公式プログラムはあいかわらずひどい。今年はあまりよく見ていないが、いまたまたま開いたところを見たら「米軍がイラクに進行」していた。