バンガロールに来ちゃったの

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『アジア主義を問いなおす』(井上寿一)[B1163]

アジア主義を問いなおす』読了。

アジア主義を問いなおす (ちくま新書)

アジア主義を問いなおす (ちくま新書)

本屋さんでたまたま見かけて、買うべきかどうかかなり悩んだ本。結局、「新書だし、それほど真剣に悩まなくてもいいか」と思って買った。悩んだわりに「あとがき」を見ていなかったが、「『諸君!』に掲載された小論が基礎になっている」というのを読んでいたら、おそらく買わなかったのだが。

最初からどうも引っ掛かる記述が多く、賛同できない点が多かった。内容もそうだし、論述スタイルもそうだ。「アジア主義」といっても思想としてのアジア主義ではないようだが、無定義で使っておいて、いろいろ引用しては「これはアジア主義である」とか書くのはどうなのか。それから「私たちは×××と思い込んでいる」といった記述がやたらと目につくが、「私たちって誰やねん?」「私は別に思い込んでないけど?」と突っ込むこともしばしば。本当はそう思っていないのに、一段低くみなした読者のレベルに自分を置いて共感するかのような記述はすごく気持ちが悪い。全体として、都合のいい言説だけを拾ってきてはやたらと決めつけているという印象。中心に触れずに周縁だけを論じているといってもいい。かなり疲れる本。