『裏切られた台湾』のエントリー(id:xiaogang:20060824#p1)で、「国連による信託統治やアメリカの介入に関することを扱った邱永漢の初期短編小説がある」というコメントをいただいた。それが『客死』という小説であることを、コメントをくださったせんきちさん(まぜるなきけん)から教えていただき、今日読むことができた。
- 作者: 邱永漢
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1994/01
- メディア: 単行本
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この小説中で謝万伝は、次のような考えを述べている。
- 将来、アメリカが中共との外交関係を回復する条件として、台湾の中立化を実現しなければならなくなるだろう。
- 蒋介石が死ねば国民政府は瓦解する。
- 国民政府は二・二八事件で懲りているので、台湾人を武装させることはないだろう。
これらがすべて林献堂の考えそのものなのか、また当時の台湾人知識人の一般的な考えなのかどうかよくわからないが、いずれも当たらなかったことになる。