『台湾革命』読了。
- 作者: 柳本通彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/10
- メディア: 新書
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私が初めて台湾へ行ったのは1994年。すでに終身議員は改選され、政治犯もいなくなり、一応民主化が達成されていたといえる。しかしガイドブックにはまだ「共産主義に関する本は持って行かないように」と書かれており、総統府の前には“反共必勝”というスローガンが掲げられていた。その後の変化は自分でも目にしているし、本などで情報を得てもいる。私が見ていない、戒厳令解除前後から90年代初めあたりまでについてもっと詳しく知りたい。台湾の空気がどのように変化していったのか、そのなかで1994年はどのようなときだったのか、それを知りたいと思う。
この本は、著者一家が、戒厳令解除直前の台湾に到着するところから始まる。だから、当時の台湾の様子が、実体験や生活の実感に根ざして記述されているのではないか。そのように勝手に期待した。しかし、あまりそのような記述はなく、また知っていることが大半だったので、ちょっと期待はずれだった。1987年から2000年までの台湾史の概要を知るには適当な本だと思う。