実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『深海』(鄭文堂)(DVD)

去年の東京国際映画祭で観た(id:xiaogang:20051028#p1)鄭文堂(チェン・ウェンタン)監督の『深海』を、先日届いた台湾版DVDで観る。また高雄へ行きたくなった。

  • 安姐(陸奕靜)の家の中などの、暖簾ごしのショットがよかった。暖簾で隔てられていることで、かえって登場人物の心情がダイレクトに伝わってくる。
  • 安姐の家は、実際は旗津輪渡站(フェリー・ターミナル)からかなり離れている。映画の中では近いという想定なんだろうと思っていたが、小豪(李威)が阿玉(蘇慧倫)を送って行く(というか勝手について行く)シーンで、けっこう距離があることが示されていた。でも毎日歩いて通っているという想定のようだから、実際よりはかなり近くに設定されていると思う(徒歩15分くらい?)。
  • 阿玉は、夫を殺したにもかかわらず数年の刑期で済んでいると思われる。前回観たとき、彼女が精神的に不安定であることに加え、夫のほうにも非があったのだろうと思った。今回観て、彼女は明らかに暴力に反応して発作(?)を起こしていることがわかった。夫は日常的に、彼女に暴力を振るっていたのだろう。
  • 台流スター・李威(リー・ウェイ)は、この映画で初めて見てあまりかっこよくないと思ったが、その後観た『求婚事務所』(asin:B000E1KI02)では「(好みではないけど)かっこいいかも」と思った(けっこうキムタクっぽい)。今回、やはりこの映画ではあまりかっこよくないことを確認した。髪型のせいかもしれない。
  • 音楽がなかなかよい。ナイトクラブや布袋戲の音楽を除けば、映画音楽といえるのは1曲のみで、しかもDVDのメニューのバックにも流れるので、この曲が頭から離れなくなる。

ところでこの映画は、新宿武蔵野館で8月に公開される予定(公式)である。多くの人が観てくれたらいいと思う。