実録 亞細亞とキネマと旅鴉

サイトやFlickrの更新情報、映画や本の感想(ネタばれあり)、日記(Twitter/Instagramまとめ)などを書いています。

『バンコックの夜(曼谷之夜)』(千葉泰樹)(DVD-R)

お茶を飲みながら、『バンコックの夜』のDVD-Rを観る。千葉泰樹監督が、宝田明=尤敏の香港三部作のあと、加山雄三=張美瑤のコンビで撮った映画。日本=香港=台湾合作で、京都、奈良、台北バンコクとロケ地が盛りだくさん。加山雄三は台湾生まれでタイに研究に行く医者、張美瑤は台湾生まれで日本に留学経験があり、タイ国籍をもつお嬢様という設定。日本と台湾、日本とタイの過去の問題がほとんど絡まない点が不満といえばいえるが、エンターテインメントとしては香港三部作よりよくできていると思う。どちらかといえば尤敏より張美瑤のほうが好きだし(加山雄三より宝田明のほうが好きだけど)。ぜひDVD化してほしい映画である。

主演以外では、香港三部作にも出ている藤木悠が今回は大活躍。タイ語ペラペラだし、都合よく通りかかってくれるし、とても頼もしい役でびっくり。加山雄三藤木悠が住んでいるのは、ヴェランダ・コロニアル風の渋いアパートでうらやましい。ほかには、加山雄三が働くウイルス研究室の主任に田崎潤、研究員に小泉博という『次郎長三国志』コンビにも注目。

ところで、『金門島にかける橋』も『星のフラメンコ』も『バンコックの夜』も、主人公(いずれも台湾へ行き、台湾の女性と恋愛する)は両親を亡くしていて、父親の友人が親代わりに面倒をみてくれているという設定なのはなぜだろう?