『日本映画史の展開 小津作品を中心に』を読み終わる。
- 作者: 冨士田元彦
- 出版社/メーカー: 本阿弥書店
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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小津作品についていえば、小津が時代を見る目についてなど興味深い指摘もあるし、同時代のものを含めたいろいろな批評も紹介されていて、それはそれでおもしろいが、ひとつひとつが浅いというか、「えっ、もう終わり?」という感じで終わってしまう。しかも寄せ集めだから、それが次につながっていかないし、それぞれの小論がより大きな議論を構成するわけでもないので、なんだか物足りない。
それに蓮實重彦氏の影響を受けすぎ。「『麦秋』を読む」では、二段落目からいきなり「しかしここでも小津は階段を映さない」(p. 58)って、ちょいとそれは唐突じゃないですか?(笑ってしまった。)