実録 亞細亞とキネマと旅鴉

サイトやFlickrの更新情報、映画や本の感想(ネタばれあり)、日記(Twitter/Instagramまとめ)などを書いています。

『真白き富士の嶺』(森永健次郎)

2本目は、ラピュタ阿佐ヶ谷で森永健次郎監督『真白き富士の嶺』。例によってJ先生のつき合いのいづみさま映画。観なきゃいけない映画がたまっているのに、何でわざわざこんなの(しかも山猫軒でのお食事もついていないのに)、と思うが、一応、逗子が舞台なので観た。結果は、逗子・鎌倉ロケというだけの映画だった。

家族も同様のフィアンセ・小高雄二がいるのに、妹・吉永小百合白血病で療養中なので結婚できず、欲求不満がたまりまくっている芦川いづみは、妹に恋人がいるらしいと知って嫉妬に狂い、すべての手紙を盗み読む。ところが、吉永小百合が不治の病だと知ると、例によって頼まれもしないのに義務と責任を背負い込み、妹と恋人を会わせるため、相手が誰かを突き止めるのに躍起になる、というお話。前半は吉永小百合のアイドル映画っぽいが、後半は芦川いづみがお得意の憑かれた女を熱演しているので、好きな人にはたまらない(のか?)が、傍で見ていると疲れる。しかもいつもほど神がかっていなくて中途半端だ。チラシには「美しい姉妹愛が胸をうつ」と書いてあったが、それは違うと思う。

途中、吉永小百合浜田光夫の乗ったボートが転覆し、長者ヶ崎ホテルの支配人に助けられる。この支配人が、日活映画でいつもキャバレーの支配人などをやっている弘松三郎。実はこのホテルの社長は金子信雄で、妹を迎えに来た芦川いづみに目をつけ、フィアンセの小高雄二をホテルで密かに開いているギャンブルに誘う。気の弱い小高雄二はついギャンブルにはまり、莫大な借金を作ってしまう。…と、妄想は果てしなく広がるが、今回の弘松三郎は一瞬しか出てこないただのいい人だった。

夕食はひさびさのとんき。初映画が2月というのもひどいが、初とんきが2月というのはもっとひどい。